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愛犬への歯磨きのやり方は?デンタルケアのポイントを解説

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愛犬への歯磨きのやり方は?デンタルケアのポイントを解説
人間と同じようにワンちゃんも年齢を重ねると歯周病にかかりやすくなります。人間は毎日の歯磨きと定期的な歯科検診で自己管理ができれば病気の悪化を防げますが、ワンちゃんは飼い主さんによる歯磨きをはじめとするデンタルケアが、健康寿命を延ばすカギといってもいいでしょう。
ここでは、ワンちゃんへの歯磨きの重要性や、健康を守るための歯磨きのやり方、知っておきたいポイントについて解説します。

目次

監修

ますだ動物クリニック院長 増田国充先生
ますだ動物クリニック
静岡県島田市向谷3-918-9

北里大学獣医学部獣医学科卒業。専門学校ルネサンス・ペット・アカデミー非常勤講師、日本ペットマッサージ協会とペット薬膳国際協会の講師を務める。東日本大震災における被災動物レスキュー活動などにも参加。一般的な西洋医療のほか、鍼灸治療や漢方、ペットマッサージなどを通して動物の健康に取り組む。

歯周病予防にはワンちゃんへの歯磨きが重要!

ワンちゃんへの歯磨きは、口臭予防に加え、歯周病を防ぐ上で非常に大切です。

歯周病とは、歯に溜まった歯垢や歯垢が硬くなった歯石が原因となり、歯肉炎や歯周炎になる病気です。歯周病を放置すると、歯肉や歯槽骨が溶け、歯が抜け落ちてしまいます。
また、歯周病菌が全身に回ると腎臓や肝臓、心臓などの臓器に異常をきたす可能性があるほか、関節や骨髄などに疾患を引き起こすこともあります。ワンちゃんの口腔内を健康に保ち、歯周病を防ぐことは、ワンちゃんの全身の健康を守ることでもあるのです。

人間では、歯周病と全身疾患の関わりが広く周知され、歯科衛生士による「プロケア」と毎日の歯磨きによる「セルフケア」の重要性がクローズアップされるようになりました。しかし、人間と違ってワンちゃんは自分で歯医者さんに行くことも、歯磨きをすることもできません。加えて、ワンちゃんの口腔内はアルカリ性で、口腔内が酸性の人間よりも歯周病菌が繁殖しやすい環境です。
こうしたことから、3歳以上のワンちゃんの8割以上が歯周病、あるいはその予備軍であるといわれています

そのため、ワンちゃんの口腔内を健康に保つには、飼い主さんによるデンタルケア習慣が重要となります。

 

子犬にも歯磨きは必要?不要?

歯周病リスクは年齢を重ねるほど高まりますが、若くても発症する病気で子犬だから大丈夫という訳ではありません。子犬のうちから歯磨きに慣れておくことで、歯周病リスクを軽減できるだけでなく、ワンちゃんの健康寿命を延ばすことにも繋がります
歯周病は、一度発症してしまうと完治が難しい病気です。歯周病にならないためにも適切なデンタルケアをできるだけ早く始めましょう。

ワンちゃんへの歯磨きの頻度は?

ワンちゃんの歯についた汚れが歯垢になると、ほんの2~3日で石灰化して歯石になります。一度ついた歯石は歯磨きでは取り除けないので、動物病院などで除去するしかありません。そのため、歯石にならないようできるだけ毎日、最低でも3日に1回は歯磨きをする必要があります。

歯磨きを毎日の習慣とするのが理想ですが、嫌がる子に長時間の歯磨きは難しいので、3日かけて全体を磨くつもりで毎日少しずつ進めていきましょう

歯磨きを始める前に、口の中をさわられるのに慣れさせることが大切

ワンちゃんの口にいきなり手や歯ブラシを入れると、びっくりして口を触られることや歯磨きが嫌になってしまいます。そうなると次回以降の歯磨きが難しくなり、きちんとデンタルケアができなくなる可能性があります。

そのため、歯磨きを始める前に、ワンちゃんが口や歯を触られることに慣れてもらいましょう。ワンちゃんがリラックスできるよう、遊びのつもりで向き合いなでたりタッチしたりしながら、少しずつ口まわりを触る時間を延ばします。口の周りを優しくつかんでも嫌がらなければ、唇をそっとめくって指の腹で歯や歯ぐき、奥歯にも触れていきます。正面から手を出されるのを怖がる子には、耳の前や横から手を出してみてください。

併せて、歯ブラシに慣れてもらうことも大切です。歯ブラシの匂いをかがせたり、じゃれつかせたりして、危険な物ではないことを知ってもらいましょう。慣れてきたら歯ブラシで口の外側をさわったり、唇をめくって歯や歯ぐきにタッチしてあげるのがオススメです。

【レベル別】ワンちゃんへのデンタルケア・歯磨きの方法

ワンちゃんに初めて歯磨きをする場合や、過去にトライして嫌がられたことがある場合は、歯磨き以外のデンタルケアグッズから歯磨きへと移行していくといいでしょう。
ここでは、最終的に歯磨きができるようにステップアップするための、レベル別のデンタルケアの方法を解説していきます。

 

【レベル1】デンタルおやつを使う

歯磨きガムなどのデンタルケアおやつは、最も手軽に始めやすいデンタルケア方法です
噛むことで歯の間に入り込んで歯垢の除去や、口の中の汚れを落として口臭を抑える効果があります。硬さや大きさのバリエーションの他にも、乳酸菌入りで免疫ケアにもなるもの、穀物不使用でアレルギーに配慮したものなど、さまざまな種類があるので、ワンちゃんの年齢や好みに合わせて選ぶといいでしょう。毎食後のおやつとして、デンタルおやつを与えるようにしてみても良いかもしれません。

ただ、デンタルおやつだけでは、口の中全体の汚れは落とせません。歯磨きと合わせてデンタルケアできるようにしましょう。また、食べ方や習性によってはのどに詰まらせることもあります。与えっぱなしにせず、目の届く範囲でお与え下さい。

 

【レベル2】デンタルおもちゃを使う

次は、デンタルケアができるおもちゃにチャレンジしてみましょう。
デンタルおやつは低カロリーなものが多いですが、与えすぎるとフードの調整などの工夫も必要になってきます。その点、デンタルおもちゃなら、楽しく遊ぶだけでデンタルケアできるので、歯磨きが苦手な子でもストレスなくトライできます。

ただし、デンタルおもちゃもデンタルおやつと同様、歯垢の抑制や毎日の歯磨き時間の短縮につながる補助的なグッズです。歯磨きと合わせてデンタルケアできるようにしましょう。

 

【レベル3】歯ブラシや歯磨きシートを使って歯磨きをする

デンタルおやつ・デンタルおもちゃの次は、いよいよ歯磨きです。
いきなり歯ブラシをあてることに不安がある場合は、指に巻いて使う歯磨きシートから始めても構いません。飼い主さんの指で直接歯をさわりながら汚れを落とせるため、ワンちゃんが歯磨きをあまり怖がらずに済むのがメリットです。

以下、歯ブラシや歯磨きシートでの磨き方を3ステップで解説します。

・ステップ1:犬歯から磨く

 

一番大きくて丈夫な犬歯から磨き始めると、飼い主さんは磨きやすく、ワンちゃんにはあまり負担がかかりません。歯周病が進みやすい前歯は、大人のワンちゃんは嫌がることもあるため、その場合は、徐々に慣らしていきましょう。

・ステップ2:奥歯を磨く

 

あごを抑えながら上唇をめくり、奥歯を少しずつ磨き進めます。上あごの第4前臼歯(一番奥にある、つながってみえる奥歯)は、特に歯垢や歯石が付きやすいため、よく注意して磨きましょう。
上あごの第4前臼歯に隠れている下あごの第1後臼歯(一番奥にある小さい歯)も忘れずに磨いてください。

・ステップ3:歯の内側を磨く

 

上あごを優しく持ち上げながら、歯ブラシを持つ手で下あごを抑えて口を開かせます。そのまま上の歯の裏側を磨きましょう。
前から奥へ磨いたら、そのまま下の歯も磨き進めます。歯と歯ぐきのあいだを磨くときは、歯ブラシを45度の角度でやさしくあて、毛先を隙間に入れて汚れをかきだすようにします。

ワンちゃんへの歯磨きで知っておきたいポイント

一度「歯磨きは怖い」「歯磨きは痛い」といったネガティブイメージを持ったワンちゃんは、歯磨きを嫌がるようになります。
ここでは、ワンちゃんが歯磨きを嫌いにならないために知っておきたいポイント3つを紹介します。

 

歯磨きが終わったらほめる

少しの時間でも上手に歯磨きをすることができたら、ワンちゃんを褒めてあげましょう。歯磨きガムなどのおやつをあげるのも効果的です。「いい子で歯磨きをすると、飼い主さんにほめてもらえる」「大好きなおやつがもらえる!」といったプラスのイメージと歯磨きを結びつけることで、ワンちゃんの歯磨きへの抵抗を減らしていきます

 

歯磨きでは力を入れすぎない

ワンちゃんの歯を磨くときは、自分の歯を磨く力の10分の1くらいの感覚でやさしく磨いてあげましょう。奥歯や、歯と歯ぐきの間は汚れやすいので重点的に磨きたいところですが、最初は嫌がるワンちゃんが多いかもしれません。
ワンちゃんが嫌がっているのに力を入れてゴシゴシ磨くと、次回以降の歯磨きが大変になる上、歯ぐきの後退にもつながってしまいます。今日は右側、明日は左側、というように歯磨きをする箇所を日によって分けて、1日の歯磨き時間を短くするのもおすすめです。

 

犬用の歯ブラシを使う

ワンちゃんの歯磨きをするときは、犬用の歯ブラシを使いましょう。
子ども用だとしても人間用の歯ブラシだと、ヘッドの大きさやブラシの硬さが合わず、歯磨き自体を嫌がってしまう事があります。

 

歯石がついたら動物病院で治療してもらう

歯石がつく前に自宅でケアをするのがベストですが、磨ききれていない部分や磨きにくい部分には歯石がついてしまうこともあります。歯石に気づいたら、動物病院で取り除いてもらいましょう。

また、どれだけ工夫をしても歯磨きを嫌がるようであれば、無理強いはせず動物病院に診てもらうことをおすすめします。

ワンちゃんのデンタルケアにオススメ商品

  • プラクト 歯みがきデンタルガム
    「プラズマ乳酸菌」配合で、免疫ケアとデンタルケアが同時にできる歯磨きおやつ。牛皮のコラーゲン繊維が噛むことで汚れをからめ落とします。毎日のおやつで免疫力アップ&デンタルケア習慣の定着を目指しましょう。
  • かんでるDENTAL
    遊びながら噛むことでお口の健康維持ができる国産のデンタルおもちゃ。ソフトとハード、2つの噛み心地があり、飽きずに遊べます。形状はボーンタイプ・リングタイプの2種類。イチゴやベーコンのフレーバーもあり、豊富なラインアップ。
  • シートでふきとる デンタルティッシュ
    歯の汚れを優しく拭き取れるデンタルティッシュ。緑茶乾留エキス配合でお口もスッキリします。歯磨きが苦手な子のほか、子犬・シニアにもオススメ。手に巻いて使いやすい大きめサイズで、自然由来成分配合だからなめてしまっても安心です。

ワンちゃんの歯周病予防のため、歯磨きを習慣化しよう

ワンちゃんの健康と口腔環境は密接に関係しています。特に、静かに進行して歯肉や顎の骨を溶かし、やがて全身疾患を引き起こすおそれがある歯周病の予防は、健康寿命を延ばす重要なポイントとなります。

便利なデンタルケアグッズを取り入れて毎日の歯磨きを習慣化し、愛するワンちゃんの健康を守りましょう。

よくある質問
犬の歯磨きQ&A

ワンちゃんへの歯磨きの頻度は?
毎日の歯磨きが理想ですが、嫌がる場合は3日に1度、もしくは3日かけて全体を磨く意識を持ちましょう。


ワンちゃんへの歯磨きを始める前にしておかなければならないこととは?
いきなり歯ブラシを口に入れられると、ワンちゃんは驚いて拒否します。一度恐怖心が根付くと次回からの歯磨きのハードルが上がるため、口や歯をさわられることに慣れてもらうことから始めましょう。


ワンちゃんへの歯磨きの方法は?
比較的取り組みやすいレベル1としてデンタルおやつ、レベル2にデンタルおもちゃ、最終的に目指したいレベル3が歯ブラシや歯磨きシートを使った歯磨きです。ワンちゃんの様子を見ながらレベルアップを目指しましょう。