はじめて、犬と暮らし始める人へ
犬との生活は、笑いあり、癒しあり、驚きありで毎日が感動的。
素敵な家族の一員になるようにしっかり育てていきましょう。

1 新しい環境に慣れさせるのが第一
犬を飼い始めた直後は、家族のかまい過ぎで子犬が睡眠不足になってしまうことがあります。 特に飼い始めてしばらくの間は環境が変化するので、精神的・肉体的ストレスも重なって子犬が最も体調を崩しやすい時期です。単純な疲れが原因であった場合も、対応が不充分だと重症に陥ることもあるので注意が必要です。
犬を迎えてしばらくは、はじめての環境に慣れさせることを第一に考えて、寝ている時は邪魔をせずたっぷり眠らせてあげましょう。子犬が自分から寄ってきた時は優しくなでて、安心させてあげてください。
夜泣きについて
子犬は、母犬と離れた寂しさからしばらく夜泣きをします。十分眠れず体調を崩すこともあるので、子犬が新しい環境に慣れるまでの間は、眠るまでそばについていてあげましょう。 寂しがらないように、お湯を入れたペットボトルを母犬のニオイのついたバスタオルでくるんでハウスに入れるのも良いでしょう

2 トイレをしっかり教えよう
トイレのしつけは、家に迎えたその日から行います。
しかし、間違った場所で排せつしても叱ったりするのはやめましょう。 恐怖で排せつ行為に不安を感じ、隠れて行う可能性も出てくるからです。
まずはトイレを設置する時に、トイレシーツにその子犬の排せつ物のニオイをつけておきましょう(ブリーダーや購入したペットショップからもらっておくと良い)。子犬をよく観察し、起きたらすぐにトイレへ誘導。この時は、抱いていくよりも犬が歩いて向かうように、誘導した方が早くトイレの場所を覚えます。子犬がトイレの場所をきちんと覚えるまでは、トイレタイムに飼い主がトイレまで誘導してあげましょう。
どうしても子犬をみておけない時は、ケージやサークルなどを利用し、全体にペットシーツを敷き詰めておく方法もあります。
トイレトレーニング
1眠る場所とは別にトイレを設置
寝床とトイレは室内にきちんと別にして設置すること
2トイレタイムに誘導する
また他の部屋から戻った時に排泄する子もいます。それを考慮して、飼い主がその都度トイレの場所まで誘導しましょう
3トイレを探すしぐさを見たら誘導する
4正しい場所で排せつしたらほめる
正しい場所で排せつしたら、ほめておやつを与えるようにすると、子犬も「ここで排せつをすると良いことがある!」と思いトイレの場所を楽しく覚えさせられます
その他関連情報

3 食事にルールを作ろう
ドッグフードは、年齢・月齢に合った「総合栄養食」の表示があるものを与えてください。
さまざまな食品/フードがありますが、栄養バランスや品質など信頼できるメーカーのものを選びましょう。ドライフードは、保管中に脂肪の酸化や変質が起こるので、買いだめせずに直射日光や高温多湿をさけて保管して、早めに与えてください。
栄養学的にはドッグフードと新鮮な水だけで足りますが、愛犬が目をキラキラさせて喜ぶおやつなどの「おいしいもの」も別に与えたくなるのが飼い主の心情です。おやつなどを与えることは犬の精神的にも良い刺激になりますが、質と量には配慮しましょう。一日に与える食事全体のカロリーの10%未満にしてください。
「オスワリ」や「マテ」に従ったら与える
フードを奪わず追加する
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テーブルから食べ物を与えない

4 健康管理とワクチン接種
子犬を飼いはじめたら、なるべく早く動物病院へ連れていき健康診断を受けましょう。子犬の体にはまだ病気への免疫ができていません。安全のため、キャリーバッグやクレートなどに入れ、他の動物と接触できない状態で行くのがおすすめです。
ペットショップで購入後すぐに感染症や遺伝性疾患が見つかるケースもあります。お腹に寄生虫がいることもあるので便を持参して行くとよいでしょう。また、元気がない・食欲がない・吐くなどの場合、低血糖症をおこし命にかかわることもあるのですぐに病院へ行きましょう。 犬に多い伝染病はワクチン接種で予防できます。子犬の混合ワクチン接種は生後6週齢頃から複数回行います。また狂犬病予防法で生後90日以上の犬は1年に1回の狂犬病予防接種を受けて、国に登録するということが決められており、狂犬病ワクチンの接種も必要です。
成犬になってからも、年1回の接種が必要です。ワクチンの種類と回数は獣医師に相談しましょう。
ワクチン接種で予防できる主な病気
犬ジステンバー
犬伝染性肝炎(犬アデノウイルス1型感染症)
犬パルボウイルス感染症
犬パラインフルエンザ
犬アデノウイルス2型感染症
犬レプトスピラ感染症

5 どこでも触らせるクセをつけよう
愛犬を大切に思うなら、体のどこにでも触れるようにしておきましょう。体を触ることは日常のケアはもちろん、病気や怪我の早期発見にもつながります。
ただし、無理に触ると子犬が嫌がることがありストレスがかかるので注意しましょう。犬が心地よく思えるよう触り方を工夫して、いつでも健康チェックができるようにしておきましょう。特に興奮するタイプの子犬は、運動などでエネルギーを発散させた後、子犬のお尻をあなたの膝の上に乗せ、背中をあなたのお腹から胸にぴったりとくっつけるようにして静かに待ちましょう。暴れている時はしっかりと抱いて、静かになったらほめて自由にします。 ただし、攻撃的な性格の子の場合は無理にするのは止めましょう。
触れるようになったら健康チェック

耳の中

目

鼻

口

足先

お腹・お尻

全身
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子犬のうちから慣らしておこう
足ふき
子犬の時から、スムーズにできるよう練習しましょう
ブラッシング
関連情報
歯磨き
関連情報
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6 遊んであげよう!
犬にとって遊びは心の栄養です。子犬と信頼関係を築き、うまくしつけるコツも遊びの中に含まれています。
本来、犬の遊びの目的は「獲物を捕らえる練習」と「群れの仲間と仲良く暮らす」の2つ。実際、家庭で暮らす犬は自力で獲物を捕らえて食料を確保する必要がありませんが、狩りの本能とエネルギーは残っています。それを発散させる遊びをさせないと、物を壊す・吠えるなどよくない方向に力を向けるようになります。
特に作業目的で品種改良された犬種は仕事が大好き。それなのに仕事を与えられないとイライラし、攻撃的になったりします。エネルギーをしっかり発散できている犬が非行に走ることは滅多にありません。
犬の好きなおもちゃ

ボール

キューキュー鳴るおもちゃ

オヤツ探しゲーム

ぬいぐるみ

ロープ
また、犬同士の遊びでも活躍します

ゴム製の知育おもちゃ
関連情報
おもちゃの注意点
遊ぶ時は犬用のおもちゃに限定
安全なおもちゃを使う
おもちゃを与えっぱなしにしない
おもちゃを与えっぱなしにしない
号令や遊びのルールを教える

7 社会に慣れさせる練習をしよう
親犬や兄弟犬、友達犬と接して、犬同士のコミュニケーション方法を学ぶこと。人間と触れ合い、世の中のいろんな音やモノなどを体験して慣れさせ「社会に順応する力を養う」ことを社会化といいます。 その社会化に一番適しているのが生後3カ月までの子犬の時期。 この時期に経験したことは順応しやすく、あまり怖がらなくなります。
逆に、部屋から出さない状態でこの時期を過ごすと、初めて見るものや聞き慣れない音に過敏に反応して、引きこもりや逃走することも。ただし、生まれつき怖がりのタイプもいます。
無理やり体験させるのではなく、子犬が楽しく過ごしているか、様子をみながら徐々に慣らしていきましょう。
子犬のうちに体験させておきたい項目
犬同士で遊ぶ時間を作る
いろんなタイプの人と触れ合う機会を作る
子犬を抱いて近所への挨拶し触ってもらうのもいいでしょう
日常的な外出体験をさせる
将来世話になる場所で楽しい体験をさせる
病気のワクチン、心のワクチン、
「どちらも大切です」
「子犬の時期に行うワクチン接種がすべて終わり、子犬の体内にウイルスの免疫ができるまで、外に出さないように」というのが、今まで獣医師側が飼い主さんに指導してきたことです。 しかし、その時期に子犬を外に出さずにいろんな体験をさせないでおくと、社会化不足で犬の“心”の問題を引き起こすことが多くあります。外に出さなければ病気になるリスクは低くなりますが、社会化できていないと将来的に犬の問題行動につながることも多いのが事実です。 そのことを考えるとできるだけ早い時期にさまざまな体験をさせることは「心のワクチン」になるといえます。家に慣れたら少しずつ、周りの環境にも慣らしていくと良いと思います。その際には不特定多数の犬の集まる場所や病気の犬との接触、他の犬の排せつ物には注意しましょう。
8 甘咬み・破壊対策をしよう
子犬は好奇心旺盛で、ニオイを嗅いだり、咬むことでその素材などを学習します。
人間の手に関しても、甘咬みをしますが、それを許しているとエスカレートして怪我を負うことにもなりかねません。
子犬の目の前で手をひらひらさせたり、獲物のような動きをしてじゃれさせるのは、子犬が手をおもちゃだと勘違いするので、絶対にやめましょう。遊ぶ時は必ず咬んでもいいおもちゃを使ってください。また子犬の時期は、歯が生え変わることもあり、いろんなものをかじりたい衝動にかられます。 気がつくとソファがボロボロになっていたというのもよくある話です。そうなる前に対策をとりましょう。
咬む行動を悪化させないで
遊んでいる時に手を咬む時は
家具などを咬み、破壊してしまう時は

9 上手にお留守番できる犬にしよう
親犬や兄弟犬、友達犬と接して、犬同士のコミュニケーション方法を学ぶこと。人間と触れ合い、世の中のいろんな音やモノなどを体験して慣れさせ「社会に順応する力を養う」ことを社会化といいます。 その社会化に一番適しているのが生後3カ月までの子犬の時期。 この時期に経験したことは順応しやすく、あまり怖がらなくなります。
逆に、部屋から出さない状態でこの時期を過ごすと、初めて見るものや聞き慣れない音に過敏に反応して、引きこもりや逃走することも。ただし、生まれつき怖がりのタイプもいます。
無理やり体験させるのではなく、子犬が楽しく過ごしているか、様子をみながら徐々に慣らしていきましょう。
ハウス・トレーニング
1快適なハウスを用意する
2ハウスに誘導する
3ハウスに慣れさせる
4飼い主が離れることに慣れさせる
5ハウスに滞在させる
おとなしく過ごすことができるようになったら
ハウスでおとなしく過ごすことができるようになったら留守番も可能です。
ただし、その日はしっかり遊ばせてエネルギーを発散させておきましょう。また、子犬の負担にならないよう留守番時間を止めてください。ハウスの中ではトイレを我慢しますので、子犬の次のトイレタイムまでには帰宅するようにしてください
よくある質問 ~犬の育て方Q&A~
犬を新たに飼う時に気を付けたいことは?
犬を飼い始めたら最初にしつけるトイレトレーニングのコツは?
1.眠る場所とは別にトイレを設置
2.トイレタイムに誘導
3.トイレを探すしぐさを見たら誘導
4.正しい場所で排泄したらほめる
犬の食事で決めたいルールとは?
犬の健康管理とワクチン接種のポイントとは?
犬にどこでも触らせるクセをつけるのはなぜ?
ただし、無理に触ると子犬が嫌がることがありストレスがかかるので注意しましょう。
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