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ここでは、ワンちゃんのしつけでおさえておきたい基本的な項目や注意点などを解説します。
目次
監修
静岡県島田市向谷3-918-9
北里大学獣医学部獣医学科卒業。専門学校ルネサンス・ペット・アカデミー非常勤講師、日本ペットマッサージ協会とペット薬膳国際協会の講師を務める。東日本大震災における被災動物レスキュー活動などにも参加。一般的な西洋医療のほか、鍼灸治療や漢方、ペットマッサージなどを通して動物の健康に取り組む。
ワンちゃんへのしつけの必要性
ワンちゃんのしつけは、飼い主さんの責任のひとつです。
しつけをせず、ただかわいがっていると、散歩中にほかのワンちゃんを攻撃したり、所かまわず排泄をしたりして、思わぬトラブルになることがあります。また、人間を噛む、室内を荒らす、好き勝手に物を食べるといった問題行動を黙認していると、飼い主さんとの生活にも支障をきたすでしょう。
ワンちゃんに対するしつけは、大切なワンちゃんが社会で安全に生きていくためにも、飼い主さんと幸せに暮らしていくためにも、必要不可欠なのです。
まずは新しい環境にワンちゃんを慣れさせることが大切
ワンちゃんを飼い始めた直後は、飼い主さんがかまい過ぎるあまり、ワンちゃんが睡眠不足になってしまうことがあります。特に飼い始めてしばらくの間は環境が変化するため、精神的・肉体的ストレスも重なり、ワンちゃんが最も体調を崩しやすい時期となります。単純な疲れが原因であった場合も、対応が不充分だと重症に陥ることもあるため注意が必要です。
そのため、ワンちゃんを飼い始めてしばらくの間は、初めての環境に慣れさせることを第一に考えて、ワンちゃんが寝ている時は邪魔をせずたっぷり眠らせてあげましょう。また、ワンちゃんが自分から寄ってきた時は優しくなでて、安心させてあげてください。
また、子犬の場合、母犬と離れた寂しさからしばらく夜泣きをします。十分に眠れずに体調を崩すこともあるため、子犬が新しい環境に慣れるまでの間は、眠るまでそばについていてあげることが大切です。
子犬が寂しがらないための対策として、お湯を入れたペットボトルを母犬の匂いのついたバスタオルで包み、ハウスに入れてあげるのがオススメです。
アイコンタクトのしつけ
ある程度、ワンちゃんが飼い主さんとの暮らしになれてきたら、次はアイコンタクトを教えてあげましょう。
アイコンタクトとは、ワンちゃんが飼い主さんの目を見て集中している状態のことです。アイコンタクトができるようになると、ワンちゃんの意識を飼い主さんに向かわせることができるため、トラブルになりそうなときにその場を回避したり、しつけを効率的かつ効果的に行ったりすることが可能になります。必要に応じてアイコンタクトが取れるようにすることは、すべてのしつけのベースであり、ワンちゃんと飼い主さんの信頼関係の醸成にも役立つはずです。
また、アイコンタクトを教えるときは、愛犬の名を呼び、目が合ったら褒める、またはおやつをあげることを繰り返します。これにより、ワンちゃんはアイコンタクトをすると褒められることを学習し、少しずつアイコンタクトの時間を延ばせるようになるのです。
トイレのしつけ
ワンちゃんの排泄は、室内で済ませるのが基本です。
散歩の際に外で排泄させることは、公共の場を汚す行為であり、排泄物がかかった電柱や壁の近くでは匂いに悩まされることもあります。悪天候や飼い主さんの体調不良で散歩に行けない事態も想定して、普段から自宅のトイレで排泄をするようにしつけましょう。
ここでは、子犬のトイレのしつけ方について、順を追って説明します。
1 サークル内にトイレを設置する
まずは、サークルの中にトイレを設置します。サークル全体にトイレシートを敷く形でも、問題ありません。
この時、トイレシートに子犬の排泄物の匂いをつけておくと、トイレへの誘導がしやすくなります。
2 ワンちゃんのトイレタイムを待つ
トイレの設置が完了したら、次はワンちゃんのトイレタイムを待ちます。
ワンちゃんの主なトイレタイムは、寝起き目を覚ました時、食事や水を飲んだ直後、元気いっぱいに遊んだり運動した後などです。また、ワンちゃんによっては、ほかの部屋から戻った時に排泄する子もいます。こうした性質を考慮しつつ、ワンちゃんのトイレタイムを探りましょう。
3 トイレを探す仕草をしたら誘導する
ワンちゃんがトイレを探す仕草をしたら、飼い主さんがトイレまで誘導します。
ワンちゃんが匂いを嗅いで部屋の隅に行ったり、くるくる回りながらお尻を突き出すポーズをしたりすることのほか、お尻を床にくっつけるポーズを見せたりしたら、トイレを探しているサインです。その仕草を確認したら、素早くサークル内のトイレに連れて行き、優しく排泄を促しましょう。
4 正しい場所で排泄したら褒める
食事のしつけ
食事のしつけは、ワンちゃんの健康寿命を延ばすために欠かせません。
人間の食べ物を無闇に与えてしまうと、肥満から病気になりやすくなるばかりか、命を脅かす危険もあります。生後3ヵ月頃からは、柔らかく小さいサイズのおやつを与え始めても問題ない時期ではありますが、フードにせよおやつにせよ、原材料等を十分に確認した上で、与えすぎることのないよう十分に注意しましょう。
ここでは、食事のしつけを行う上での3つの注意点について、それぞれご紹介します。
「おすわり」や「待て」などの飼い主の指示に従ったら与える
ワンちゃんに食事を与える際には、飼い主の指示にワンちゃんが従った場合に与えるようにしましょう。
そうすることで、飼い主さんは自分の命の糧である食事を与えてくれる存在だときちんと印象付けることが大切です。そのため、「おすわり」や「待て」など、飼い主がワンちゃんに指示を出してその通りに従ったら、食べ物を与えるようにしてください。
ワンちゃんの食事中にフードを奪わない
ワンちゃんの食事の途中でフードを奪わないようにしましょう。
子犬の間に、食べ物を奪われないように警戒する習慣ができてしまうと、近い将来、食事中に器にさわると咬む・唸るなどの威嚇行動をとるワンちゃんになってしまう可能性があります。
そのため、食事は守らなくても大丈夫だとワンちゃんが思えるよう、ワンちゃんが食事をスタートしたらフードを奪わないようにしましょう。
テーブルから食べ物を与えない
ワンちゃんに食べ物を与える際、テーブルから与えてはいけません。
ワンちゃんの中には、家族が食事を始めたタイミングで、テーブルに顔を近づけ訴えるような眼差しで食い入るように飼い主さんの目を見つめる子がいます。そんな子を見ると、ついついテーブルにある料理を与えたくなりますが、おねだり行動の強化になるため、絶対にやめましょう。
タッチのしつけ
愛犬を大切に思うなら、飼い主さんであれば、体のどこにでもタッチできるようしつけておきましょう。
体にタッチすることは日常のケアはもちろん、病気やケガの早期発見にもつながります。
ただし、無理にタッチすると子犬が嫌がることがあり、ストレスがかかってしまうため、注意が必要です。
そのため、ワンちゃんが心地よいタッチの仕方を工夫して、いつでも健康チェックができるようにしておきましょう。
特に興奮しやすくなかなか体をタッチしづらいワンちゃんに対しては、運動などでエネルギーを発散させた後、子犬のお尻を飼い主さんの膝の上に乗せ、背中を飼い主さんのお腹から胸にぴったりとくっつけるようにして、興奮が冷めるのを静かに待つのが大切です。 ただし、攻撃的な性格のワンちゃんの場合、無理やり体にタッチしようとするのはやめましょう。
また、飼い主さんがタッチしながら健康状態をチェックすべきワンちゃんの主な体の部位は、下記のとおりです。
■健康状態をチェックすべき主な体の部位
体の部位 | 健康チェックの方法や注意点 |
---|---|
耳の中 | ゆっくりと声をかけながら、耳の中をそっと覗いて、赤くなっていないか、耳垢がたまっていないか、嫌な臭いがしないかをチェックする |
目 | 目ヤニが多く出ていないか。また、まぶたを少し持ち上げて、結膜の状態を見て、赤くなっていないかをチェックする |
鼻 | 鼻に適度の潤いがあるか。鼻水が出ていないかなどもチェックする |
口 | 唇をめくって、歯や歯茎を見て、歯垢や歯石が付いていないか。乳歯や永久歯がきちんと生えているかをチェックする |
足先 | 爪が伸び過ぎていないか、パット(肉球)が傷ついていないかをチェックする |
お腹・お尻 | 皮膚に異常はないか、外陰部に湿疹ができていないか、おりものや分泌物などで汚れていないか、肛門部分の汚れや、赤くなっていないかをチェックする |
全身 | 毛玉ができていないか、脱毛や皮膚に傷やできものがないか、さらにノミやダニなどがいないかなどを、隅々までチェックする |
ワンちゃんの病気・体調不良のサインについては、下記の記事をご覧ください。
ワンちゃんの病気・体調不良のサインとは?元気がない時のチェックポイント
お手入れのしつけ
人間と同様、ワンちゃんも、常に清潔な状態を保ち、健康を維持する必要があります。
ここでは、ワンちゃんが慣れるべき主な日頃のお手入れについて、それぞれご紹介します。
足拭き
ワンちゃんが外に出るようになったら、室内犬の散歩終わりなど足を拭かなくてはいけないシーンがいっぱいあります。そのため、スムーズに足拭きができるよう、子犬のうちから練習しておきましょう。
ブラッシング
ワンちゃんの被毛や地肌のケアのために、ブラッシングの習慣は大切です。ブラッシングを行うことで、毛並みの美しさがアップするのはもちろんのこと、愛犬とのコミュニケーションにもなるため、定期的に行いましょう。
またペティオのお手入れ商品については、下記リンクからチェックしてください。
お手入れ用品一覧ページ
歯磨き
社会に慣れさせるためのしつけ
親犬や兄弟犬、友達犬と接して、ワンちゃん同士のコミュニケーション方法をしつけることはとても大切です。
ワンちゃんが人間とふれ合い、世の中のいろんな音やモノなどを体験することで、社会に順応する力を養うことを「社会化」といいます。その社会化に一番適しているのが生後3ヵ月までの子犬の時期です。この時期に経験したことは順応しやすく、あまり怖がらなくなります。
逆に、部屋から出ない状態で子犬の時期を過ごしてしまうと、初めて見るものや聞き慣れない音に過敏に反応してしまう子になり、場合によっては、引きこもりがちのワンちゃんになってしまうでしょう。そのため、子犬が楽しく過ごしているかを常にうかがいつつ、徐々に他のワンちゃんとのコミュニケーションなどに慣らしていきましょう。
また、子犬のうちに体験させておきたい内容は下記のとおりです。
<子犬のうちに体験させておきたいこと>
・ワンちゃん同士で遊ぶ時間を作る
・いろんなタイプの人と触れ合う機会を作る
・さまざまな場所に外出する
・動物病院やトリミングサロンなどに慣れさせる
正しい吠え方のしつけ
ワンちゃんが吠えるのは意思表示のためであり、ワンちゃんにとっては自然な行動です。人間から見て無駄吠えに見えるときにも、必ず理由があります。
しかし、現代の日本の住環境において、大きな声で長く吠える・遠吠えをするなどの行為は、近隣とのトラブルになる可能性があります。そのため周囲の迷惑になる前に、適切な対策をとりましょう。
といっても、闇雲に叱っても意味がありません。例えば、吠えるのをやめたら褒めるなどして、吠え癖を抑えることが大切です。また、吠える理由を見極めて原因を解消し、吠えなくても良い環境を作ってあげることも有効です。
また、ワンちゃんの吠え方の種類と対策は、下記のとおりです。
■ワンちゃんの吠え方の種類と対策
吠え方の種類 | 吠え方の特徴 | 吠える原因と対策 |
---|---|---|
要求吠え | お散歩やご飯の準備をしているときなどに「ワンッワンッ」と続けて吠える | 飼い主に対して何か要求しているときの吠え方。吠えを抑えるためには、要求が通らないことを教えるため、吠えても反応せず、吠えるのをやめたら褒めることを繰り返すことが大切 |
警戒吠え | 「ワンワンワンワン」と低く大きな声で連続して勢いよく吠える | 何かに対して警戒しているときの吠え方。吠えを抑えるためには、吠え止むのを待ったり、おやつで気をそらしたりすることが大切 |
興奮吠え | 飼い主が帰ってきたときや来客に撫でてもらったときなどに「ワン!ワン!」と元気よく吠える | 何かに対して興奮しているときの吠え方。吠えを抑えるためには、冷静になるまで無視して、落ち着いたら飼い主さん自身の声と動きを抑えて接することが大切。また、吠えそうになったら、「伏せ」や「待て」をさせるのも効果的 |
ストレス吠え | 「キャイーン」と吠える。吠えながらパニック状態に陥る場合もある | 何かに対してストレスを感じているときの吠え方。思い当たる原因があれば、しつけより先に原因を取り除くことに注力することで、吠えが収まる場合が多い。また、できるだけコミュニケーションをとり、安心させてあげることも大切 |
不安吠え | 「キャンキャン」と甲高い声で吠え続ける | 何かに対して不安を感じているときの吠え方。吠えを抑えるためには、一度ワンちゃんの元を離れ、飼い主さんが戻ってくるまで静かにできたら褒め、必ず戻ってくることを認識させつつ慣らしていくことが大切 |
遠吠え | マズル(鼻)を上げて喉を伸ばしながら「ウォ〜〜〜〜ン」と長く吠える | ワンちゃんの本能によるもの。遠吠えの場合、飼い主さんの工夫によって止めるのは少々困難ではあるものの、おもちゃなどで気をそらし、吠えるのをやめたら褒めることで吠えが止まる場合もある |
ハウスのしつけ
ワンちゃんを飼う場合、屋内で飼う場合も屋外で飼う場合も、ワンちゃんが落ち着けるハウスを設置するのが一般的です。
ここでは、ワンちゃんをハウスに慣れさせるための方法について、順を追って説明します。
1 快適なハウスを用意する
まずは、ワンちゃんが快適に過ごせるハウスを用意します。
ハウス選びの際は、ワンちゃんがリラックスして眠れる広さがあるものを選ぶことが重要です。成犬になっても、頭から入って無理なく方向転換ができる大きさのハウスが良いでしょう。
ただし、広すぎると寝床だと認識されず、そこで排泄してしまう場合があるので注意してください
2 ハウスに誘導する
ハウスの用意ができたら、次はワンちゃんをハウスに誘導しましょう。
母犬の匂いがついたものやワンちゃんが大好きなおもちゃ、食べ物などをハウスの中に入れることで、ワンちゃんをハウスに呼び寄せます。これを繰り返すことで、ハウスの中では良いことが起こるというプラスのイメージをつけることが大切です。
3 ハウスに慣れさせる
子犬が自ら喜んでハウスに入るようになったら、少しずつハウスで過ごす時間を増やしていきます。
咬むおもちゃなどを入れて、ワンちゃんが夢中になって遊んでいる時に、少しの間ハウスの扉を閉め、その状態にも慣らしましょう。この間、飼い主さんは必ずワンちゃんの近くにいてあげることで、扉を閉めた場合でも隔離されたイメージを与えないようにしてください。
4 飼い主さんが離れることに慣れさせる
普段からハウスの扉は開けておき、子犬が自分で中に入ってそこで休むようになったら、少しずつ飼い主さんがそばにいない状況にも慣れさせていきましょう。そうすることで、次第に「ハウス=自由に落ち着ける場所」だと、ワンちゃんが認識していきます。
5 ハウスに滞在させる
子犬がハウスに十分慣れたら、扉を閉め、定期的に好物を入れてあげてハウスの中に子犬を長く滞在させるようにします。
最初のうちはハウスへ頻繁に入れるようにして、子犬が出たがる前に扉を開けて出します。しかし、出たがって吠えた場合は、無視をしてください。そして、吠え止むのを待って、再び好きな食べ物を入れてあげましょう。吠えても無駄なことや、静かにしているといいことがあると教えながら、吠えていない時にハウスから出すようにしてください。
6 ハウスでおとなしく過ごせるようになれば、留守番も可能に
ハウスでおとなしく過ごすことができるようになったら、留守番も可能になります。
ただし、留守番の前には、しっかり遊ばせ、エネルギーを発散させておきましょう。ただし、ハウスの中ではトイレを我慢するため、ワンちゃんの次のトイレタイムまでには帰宅するようにしてください。
遊びのしつけ
ワンちゃんにとって、遊ぶことは心の栄養です。ワンちゃんと信頼関係を築き、うまくしつけるコツも遊びの中に含まれています。
本来、ワンちゃんの遊びの目的は「獲物を捕らえる練習」と「群れの仲間と仲良く暮らす」の2つです。実際、家庭で暮らすワンちゃんの場合、自力で獲物を捕らえて食料を確保する必要はないですが、人間に飼われているワンちゃんにも、狩りの本能とエネルギーは残っています。それらを発散させる遊びをさせないと、物を壊す・吠えるなどよくない方向に力を向けるようになります。
ワンちゃんを適度に遊ばせるためには、ワンちゃんの好みに合ったおもちゃを与えてあげることが大切です。
また、おもちゃで遊ばせる上での注意点は、下記のとおりです。
遊ぶ時はワンちゃん用のおもちゃに限定する
スリッパやタオルなど日用品をおもちゃにすると、おもちゃにしてほしくない日用品まで狙うでしょう。
そのため、おもちゃと日用品は違うことをワンちゃんに理解させ、かつ遊ばせるおもちゃはワンちゃん用のおもちゃに限定することが大切です。
安全なおもちゃを選ぶ
ワンちゃん用のおもちゃを選ぶ際には、飲み込めない大きさのおもちゃを選び、また咬んだ時に危険かないか事前にチェックしましょう。
特に、ボタンなどがついているとちぎって飲み込むおそれがあるため、注意が必要です。
おもちゃを与えっぱなしにしない
おもちゃは与えっぱなしにしてしまうと、ワンちゃんはすぐに飽きてしまいます。そのため、おもちゃで遊ばれる際には、毎回ワンちゃん用のおもちゃ箱に片付けて、日替わりで別のおもちゃを出すなどの工夫をしましょう。
また、おもちゃは与えるだけでなく、飼い主さんが一緒に遊んであげることも大切です。
号令や遊びのルールを教える
散歩のしつけ
ワンちゃんが社会の中で問題なく暮らせるように、散歩を通してさまざまな人やワンちゃんに会うことはとても重要です。2回目のワクチン接種を完了させ、トイレを室内でできるようになったら、積極的に散歩に出掛け、ほかのワンちゃんと交流させることが大切です。
ただし、散歩の際にワンちゃんを好き勝手に行動させると、屋外の思わぬ危険物や障害物にいって怪我を負ったり、近くを歩いていた人やワンちゃんに飛びかかって迷惑をかけたりすることになりかねません。
そのため、飼い主さんが歩くスピードに合わせて隣を歩き、飼い主さんが止まったら止まるようにしつけをしましょう。これができるようになると、ワンちゃんが人の先を歩くことがなくなり、飼い主さんがしっかり制御できる状態になります。
また、散歩のしつけを行う際には、片方の手にリードを短めに持ち、もう片方の手にもったおやつで進みたい方向へと誘導します。おやつを見せて動きをコントロールしながらアイコンタクトをとって歩き、うまく歩けたらおやつを与えます。
これを繰り返すことで、次第におやつがなくても飼い主さんの隣を歩くようになります。慣れるまでは室内でトレーニングを繰り返すのがオススメです。
散歩のしつけを始めるタイミングに迷ったり、「散歩中のワンちゃんの様子がおかしい…」など何か不安を抱えていたりする場合は、かかりつけの動物病院の獣医師さんに相談しましょう。
甘咬み・破壊対策
子犬は好奇心旺盛で、匂いを嗅いだり、咬んだりすることでその素材などを学習します。
人間の手にも甘咬みをしますが、それを許しているとエスカレートして怪我を負うことにもなりかねません。
例えば、子犬の目の前で手をひらひらさせる・獲物のような動きをするなどの行為は、子犬が手をおもちゃだと勘違いするため、絶対にやめてください。また、子犬と遊ぶ時は、必ず咬んでもいいおもちゃを使ってください。
重ねて、子犬の時期は、歯が生え変わることもあり、いろんなものをかじりたい衝動にかられます。気がつくとソファがボロボロになっていたというのも、ワンちゃんの飼い主さんのあるある話です。そのようなことが起こる前に、行うべき対策をとりましょう。
具体的な対策としては、甘噛みをしなくても済むように子犬の欲求を満たしてあげることが大切です。
例えば、噛んでもいいおもちゃを与えて噛みたい欲求を満たしてあげる、遊びや散歩の時間を増やしてエネルギーを発散するなどの対応がオススメです。
いたずら対策
留守番をしている間にワンちゃんがいたずらをしないよう、しっかり対策しておく必要があります。
具体的ないたずら対策は、下記のとおりです。
<家の中で行うべきいたすら対策>
・ゴミ箱は必ず蓋付きのタイプを使用する
・電気コードにはカバーを付けておく
・入ってほしくない部屋のドアは必ず閉めておく
・大切な物はワンちゃんの目に入らない場所に移動させておく
また、ワンちゃんの気持ちをなるべく穏やかに保つことも、結果的にいたずら対策になります。そのため、生活空間をケージで区切り、ワンちゃんが落ち着ける環境を作っておくのもいたずら対策として効果的です。ケージの中で留守番できるようにすることで、思わぬ事故を防止することにもつながるでしょう。
しつけだけでなく、災害への備えも大切
災害は忘れたころに、突然やってくるものです。もしものときに愛犬を守るにはどうすべきか、普段からイメージしておきましょう。
ここでは、日頃からもしもの時のためにやっておくべき3つのことについて、それぞれ解説します。
災害時に必要な物を用意する
人間の防災グッズと一緒に、ワンちゃん用の防災グッズを用意しておきましょう。
具体的には、下記のグッズがあると安心です。
<用意しておくべき主なワンちゃん用防災グッズ>
・キャリー
・食事、食器
・カラー、ハーネス、リード、迷子札
・トイレグッズ
・お手入れグッズ
・おもちゃ
避難所を確認しておく
万が一の災害時のために、自宅から一番近い避難所の場所をあらかじめ確認しておきましょう。
環境省が発表している「人とペットの災害対策ガイドライン」によると、災害時には飼い主さんによる自助が基本であり、飼い主さんがペットと一緒に避難行動を行う「同行避難」を原則としています。
ただし、同行避難は、避難所で共に飼育管理することではありません。避難所のペットに関する規定は自治体によって異なり、持ち込みを禁じているケースも多いため、あらかじめ同伴可能な避難先を探しておくことをオススメします。
避難訓練をする
しつけの基本を押さえて、ワンちゃんとの絆を深めよう
ワンちゃんへのしつけは、飼い主さんの責任であるだけでなく、愛するワンちゃんとの信頼関係を深めるのにも役立ちます。ワンちゃんと幸せに暮らしていくために、基本的なマナーを根気強く教え、一緒に少しずつ成長していきましょう。
よくある質問
ワンちゃんの育て方Q&A
- ワンちゃんのしつけの必要性は?
-
ワンちゃんが社会や家庭で安全に、周りと良い関係を築いて生きていくために、しつけは欠かせません。ただかわいがるのではなく、飼い始めた時点で必要なしつけを行うようにしましょう。
- しつけの基本は?
-
しつけの基本はアイコンタクトです。アイコンタクトができるようになると、トラブルを回避したり、しつけをスムーズに行ったりすることができます。愛犬の名前を呼び、目が合ったら褒める、またはおやつをあげることを繰り返してしつけましょう。
- ワンちゃんを飼い始めたら最初にしつけるトイレトレーニングのコツは?
-
ワンちゃんのトイレトレーニングは飼い始めた日から始め、以下の4点を意識して行いましょう。
1.眠る場所とは別にトイレを設置
2.トイレタイムに誘導
3.トイレを探すしぐさを見たら誘導
4.正しい場所で排泄したらほめる
- ワンちゃんの食事のしつけは?
-
「おすわり」や「待て」に従ったら与える、フードを奪わずに追加する、テーブルから食べ物を与えない、といったルールを教えましょう。
- 吠え癖のしつけ方は?
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ワンちゃんが吠えるのは本能によるもので、必ず理由があります。闇雲に叱らず、吠えるのをやめたら褒めることを繰り返してしつけましょう。吠える理由を見極めて原因を解消し、吠えなくても良い環境を作ってあげることも大切です。
- 散歩のしつけ方は?
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好き勝手に行動しないよう、飼い主さんのスピードに合わせて隣を歩くようにしつけます。左手にリードを短めに持ち、右手にもったおやつで左側へと誘導して、うまくできたらほめることで正しい歩き方を学ばせましょう。
- ワンちゃんにどこでも触らせるクセをつけるのはなぜ?
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愛犬を大切に思うなら、体のどこにでも触れるようにしておきましょう。体を触ることは日常のケアはもちろん、病気や怪我の早期発見にもつながります。
ただし、無理に触ると子犬が嫌がることがありストレスがかかるので注意しましょう。