Contentsお役立ち情報

猫の病気・体調不良のサインと家庭でできる健康チェック法

特集/Pickup

猫の病気・体調不良のサインと家庭でできる健康チェック法
愛するペットはいつも健康でいてほしいもの。
そのためには日常生活をしっかり観察して、変化があったときにすぐに気がついて対処してあげることが鍵になります。下記の項目を参考に、猫が甘えて寄ってきたときに身体をチェックしたり、遊びや毛づくろいの様子などもよく観察したりして、病気の早期発見に役立ててください。

目次

耳の健康チェックポイント

猫の耳において、健康維持のために普段からチェックすべきポイントは下記のとおりです。においをたしかめ、耳の中を覗いてみましょう。

<健康状態をチェックすべきポイント>
・においはないか
・汚れがないか
・傷などがないか
・耳をかゆがる様子はないか

猫の耳に問題がなければ、通常は定期的な洗浄までは必要ありません。ただし、においや汚れ、かゆがる様子があるなら、すでに寄生虫などによる外耳炎、もしくは細菌や酵母菌(マラセチア)などによる耳の病気になっている可能性があります。特に外を出歩く猫は、ほかの動物との接触により、耳ヒゼンダニに寄生されたり、特に未去勢の雄猫はケンカにより耳が傷ついたりすることが多いので注意してください。
また、ダニなどの寄生虫、皮膚糸状菌、疥癬(かいせん)などの皮膚病、アレルギー、ケンカでの傷などによっても耳の病気を発生します。放っておくと中耳炎や内耳炎にもなり、鼓膜を破損するおそれもあり、聴力に障害が出たり、ときには神経症状を発症したりすることもあるため、早めに診察を受けるのがおすすめです。

下記のような異常が出ている場合は、できる限り早めに獣医師の診察を受けてください。

<診察が必要な諸症状>
・悪臭がする
・耳たぶが腫れている
・猫が耳を気にする、かゆがる、痛がる
・頭を振る、耳から出血している ※至急
・耳が聞こえていない ※至急
・黒や黄色など、耳アカが多く出ている ※至急
・顔が麻痺、首を傾けている ※至急

目の健康チェックポイント

猫の目において、健康維持のために普段からチェックすべきポイントは下記のとおりです。左右の目を比べてみたり、涙や目ヤニもチェックしたりしましょう。

<健康状態をチェックすべきポイント>
・目が赤くないか
・目ヤニが出ていないか
・涙が出ていないか
・目をしょぼしょぼさせていないか
・目をかゆがる様子がないか
・左右の目の感じは同じか
・目をひどく痛がっていないか
・目が見えているか
・目の動きがおかしくないか

目が赤くなる病気では、結膜炎や角膜炎が考えられ、ほこりなどの異物の混入、細菌やウイルスによる感染、外傷などが原因と考えられ、目ヤニも出てきます。また、左右の目が違って見える場合や、目の動きがおかしい場合も、何らかの病気に罹っているかもしれません。
また、猫伝染性鼻気管炎、猫カリシウイルス感染症、猫クラミジア感染症などの症状のひとつとして、目が赤くなっている場合があります。特に子猫が猫伝染性鼻気管炎や猫カリシウイルス感染症になると、死亡率が高く危険です。複合症状がないか注意し、ほかの動物との接触をさけて、獣医師に診てもらいましょう。また、これらは混合ワクチンの接種で予防できるので、年1回の接種をしていると安心です。

下記のような異常が出ている場合は、できる限り早めに獣医師の診察を受けてください。

<診察が必要な諸症状>
・充血がある、目が赤い
・目を掻いたり、こすったりする
・目ヤニの量が多い
・たくさん涙が出る
・目に異物がある
・目が赤く、鼻水、くしゃみがある(ほかの動物との接触をさけて動物病院へ)
・左右の目の大きさが違う
・瞳孔の大きさが変わらない
・左右の目の色が違う(オッドアイを除く)
・目の動きがおかしい

口の健康チェックポイント

猫の口の健康維持のためには、普段からどのようなことをチェックすればよいのでしょうか。ここでは、においや歯石のチェックポイント、よだれのチェックポイント、歯茎や舌のチェックポイントの3つを解説します。

 

においや歯石のチェックポイント

猫の口のにおいや歯石において、健康維持のためにどのようなポイントをチェックすればよいのでしょうか。特にチェックすべきポイントは下記のとおりです。

<健康状態をチェックすべきポイント>
・においがしないか
・歯垢がついていないか
・歯茎が赤くないか
・口をさわらせてくれるか

口臭がするときは口の中をよくチェックしてください。歯茎が赤いようなら口内炎を起こしています。猫の口内炎は、猫免疫不全ウイルス、猫白血病ウイルス、猫カリシウイルスなどに感染している場合があるため、安易に考えず診察を受けるようにしてください。また、歯石の付着が原因で、口内炎や歯周病を起こし、痛みから食事がとれない、よだれを垂らすなどの状態になる高齢猫も多いため、注意が必要です。また、猫が飼い主に口をさわらせない場合、口に何らかの痛みがある可能性があります。

また、子猫のときから、歯磨きに慣らしておけば、歯石の付着もある程度は防ぐことができます。しかし、すでに高齢で、歯石の付着がひどい場合は、獣医師に除去してもらうのがおすすめです。また猫慢性歯肉口内炎や歯頚部吸収病巣(しけいぶきゅうしゅうびょうすう)など非常に痛みの強い病気で食事ができず衰弱してしまう場合があるため、日頃から食べ方をよく観察することが大切です。

下記のような異常が出ている場合は、できる限り早めに獣医師の診察を受けてください。

<診察が必要な諸症状>
・口から不快なにおいがする
・口が臭く、歯石が付着している
・歯茎が赤い
・口の中で出血している
・口から異臭がして、かつ多飲多尿 ※至急

 

よだれのチェックポイント

猫がよだれを出すとき、健康維持のためにどのようなポイントをチェックすればよいのでしょうか。特にチェックすべきポイントは下記のとおりです。

<健康状態をチェックすべきポイント>
・よだれを垂らしていないか
・食べ方が正常か

よだれは食べ物のにおいなどで、分泌が活発になりますが、口内炎、舌炎、外傷、扁桃腺、腫瘍などで痛みをともなうときにも流れ出ます。特に猫は、口内炎になりやすく、よだれを出しているときは、口の中をチェックしてください。また、猫の舌にはザラザラした突起があるので、糸状の物で遊んでいるうちにどんどん喉のほうに進んでしまい、舌根部にからみ、さらに反対側を飲み込んでしまい腸閉塞で手術が必要になるケースもあります。このような場合も、よだれが出ることがあります。また、痙攣を伴う場合は、有機リン系の中毒にかかっているかもしれません。
また、猫によっては、薬物を経口投与した場合や、嫌な味のものを舐めた場合、極度に緊張したときに、よだれを垂らすことがあります。また、唾液は正常に出ているのに飲み込めない場合や、食道梗塞や咽頭麻痺などの障害でよだれを出すこともあるため、安易には考えないようにしましょう。

下記のような異常が出ている場合は、できる限り早めに獣医師の診察を受けてください。

<診察が必要な諸症状>
・よだれに血がまじる
・口の周囲をいつも以上に掻いている
・口の中が赤いまたは腫れている
・よだれが出るのに食べることができない ※至急
・糸状態のものが舌に絡んで飲み込んでいる ※至急
・よだれが出て、痙攣している ※至急

 

歯茎や舌のチェックポイント

猫の歯茎や舌の健康維持のために、普段から歯茎や舌の色が正常かどうかチェックするようにしましょう。
舌や歯茎、唇は粘膜部分にあたり、粘膜の色は目の結膜部分でも確認できます。粘膜が青白い場合は、血液循環に支障をきたしているチアノーゼの可能性があり、呼吸障害や心臓障害も考えられ、深刻な状態です。粘膜部分が黄色っぽい場合は、黄疸かもしれません。歯茎の色が白っぽいときは、貧血の可能性もあります。
猫によっては、薬物を経口投与したときや嫌な味のものを舐めたとき、極度に緊張したときなどに、よだれを垂らすことがあります。また、唾液は正常に出ているのに、飲み込めないときや食道梗塞、咽頭麻痺などの障害でよだれを出すこともあるため、安易に考えてはいけません。

下記のような異常が出ている場合は、できる限り早めに獣医師の診察を受けてください。

<診察が必要な諸症状>
・疲れやすく、歯茎の色が白っぽい
・粘膜(舌や歯茎、唇など)が青白い
・粘膜が青白く、意識がない ※至急
・事故に遭い、粘膜が青白い ※至急
・粘膜が黄色い ※至急

鼻と息の健康チェックポイント

猫の鼻や息の健康維持のためには、普段からどのようなことをチェックすればよいのでしょうか。ここでは、くしゃみや鼻水のチェックポイント、喘ぐときのチェックポイントの2つを解説します。

 

くしゃみや鼻水のチェックポイント

猫がくしゃみをしたり鼻水を出したりしているとき、健康維持のためにどのようなポイントをチェックすればよいのでしょうか。特にチェックすべきポイントは下記のとおりです。

<健康状態をチェックすべきポイント>
・鼻水が出ていないか
・くしゃみをしていないか
・咳をしていないか
・熱がないか
・鼻が変形していないか

単発性のくしゃみで、その後元気に過ごし食欲もあるのなら、そのまま様子を観察しましょう。しかし、くしゃみを繰り返したり、鼻水が出ていたりする場合は、感染性の疾患や、呼吸器系の疾患、アレルギー、鼻腔内異物、腫瘍、歯の疾患など、さまざまな病気が考えられます。また、咳が出ている場合、気管支炎や肺、胸腔内疾患(胸水、横隔膜疾患)、心疾患などの病気が疑われます。

また、猫が伝染性呼吸器症候群になると、発熱、鼻水、くしゃみ、目ヤニ、目が赤くなるといった、人間の風邪に似た症状が出てきます。この病気の半数は、猫伝染性鼻気管炎、と猫カリシウイルス感染症が原因です。鼻水が多く出ると食事のにおいをかぐことができないので、それだけでも食欲不振の原因になります。悪化すると命に関わる場合もありますが、これらの病気は混合ワクチンを接種することで、予防することができます。

下記のような異常が出ている場合は、できる限り早めに獣医師の診察を受けてください。

<診察が必要な諸症状>
・くしゃみを繰り返している
・鼻水に色があり、粘りがある
・鼻水に血が混じっている
・咳が頻繁に出る
・くしゃみか鼻水が出て、熱がある
・鼻が変形している
・咳、くしゃみ、鼻水のどれも出る
・鼻水が出て、呼吸困難を伴っている ※至急
・くしゃみか鼻水が出て、食欲が減退している ※至急
・くしゃみか鼻水が出て、水分補給できない ※至急

 

猫が喘ぐときのチェックポイント

猫が喘ぐとき、健康維持のためにどのようなポイントをチェックすればよいのでしょうか。特にチェックすべきポイントは下記のとおりです。

<健康状態をチェックすべきポイント>
・口をあけて喘いでいないか
・ゼーゼー音を立てて呼吸していないか
・呼吸が苦しそうではないか

猫の喘ぎがすぐに治まる場合はよいのですが、続くときは鼻、喉頭、気管、肺、胸腔、心臓などの病気かもしれません。また、発熱、貧血、熱中症、怪我などが原因の場合もあります。熱中症などの場合は、すぐに対策が必要であり、思い当たる節がないのに息が荒い、舌や唇の色がおかしい、ヒューヒューゼーゼーなどの呼吸の音が聞こえる場合は、何らかの病気が疑われます。

また、暑い場所にずっといた場合、猫も熱中症になります。まず体を冷やし、できるだけすみやかに動物病院で診察をうけてください。また、口を大きくあけてパクパク呼吸をしている状態や、座って胸を大きく動かして呼吸しているなら、肺水腫、胸水、膿胸、血胸、気胸、横隔膜ヘルニア、腫瘍などの疑いがあります。また猫にはゼーゼーと音を立てる呼吸の特徴がある喘息に罹る可能性があり、この病気はシャム猫に多くみられます。

下記のような異常が出ている場合は、できる限り早めに獣医師の診察を受けてください。

<診察が必要な諸症状>
・口や鼻、胸やおなかの動きがいつもと違う
・息が荒い状態が続く
・口や唇の色がピンク以外でおかしい
・ゼーゼー音を立てて呼吸する
・口を大きく、パクパクあけて苦しそうに呼吸する ※至急
・座った態勢で胸を大きく動かして苦しそうに呼吸する ※至急
・震え、よだれ、吐くなどを伴う
・体を冷やしても息が荒いまま ※至急
・脱水症状が出て、ぐったりしている ※至急

体の健康チェックポイント

猫の体の健康維持のためには、普段からどのようなことをチェックすればよいのでしょうか。ここでは、おなかのチェックポイント、乳腺のチェックポイント、怪我などの有無のチェックポイント、肥満や痩せ過ぎのチェックポイントの4つを解説します。

 

おなかのチェックポイント

猫のおなかが膨らんでいないか、普段から体全体をやさしく撫でてチェックすることが大切です。
猫は基本的に必要量を自分で調整して食べるため、おなかが膨れている場合は、何か問題があるかもしれません。腹部内の臓器が大きくなる病気をはじめ、心疾患や肝疾患による腹水の増加や腹膜炎なども疑われます。著しい便秘によって巨大結腸症になる猫や、尿結石の猫もいるため、排便・排尿にも異常がないかチェックしましょう。また、猫に起こりやすい病気に脂肪肝があります。おなかが腫れる場合、肝臓腫大になっていることもあるため、安易に考えてはいけません。このほか、未避妊の雌の場合は、妊娠も考えられます。

また、猫には伝染性腹膜炎という病気があり、その場合は腹水が溜まってきます。残念ながら現在確実な治療法がありません。また、未避妊の雌猫では子宮蓄膿症などの病気でもおなかが腫れることがあります。そのほかにも全身がむくんでいるような場合もあります。また、最近では過食するタイプの猫もいるようです。過食は肥満につながり、脂肪が蓄積されていきます。差し迫った問題はなくとも、糖尿病、関節の病気などいろいろな疾患の原因になる可能性もあります。ただの肥満だと思って、おなかが腫れる別の病気を見過ごすこともあるため十分に注意が必要です。

下記のような異常が出ている場合は、できる限り早めに獣医師の診察を受けてください。

<診察が必要な諸症状>
・おなかの膨らみが全体的に大きい
・腹部の一部が突出している
・排せつが困難
・短時間で急に膨らんできた ※至急

 

乳腺のチェックポイント

猫の乳腺の健康維持のために、普段からどのようなポイントをチェックすればよいのでしょうか。特にチェックすべきポイントは下記のとおりです。

<健康状態をチェックすべきポイント>
・しこりがないか
・乳房が腫れていないか

猫も中年以降になると、皮膚腫瘍の発生率が高くなります。皮膚の腫瘍には、良性と悪性があるので、しこりがあると感じたら、動物病院での検査が必要です。特に未避妊の雌は、乳腺腫瘍の発生率が高くなっています。猫の乳腺腫瘍は悪性である可能性が非常に高い(約90%)ので、早期発見・早期治療が必要です。
また、雌猫で出産前や授乳中の場合は、乳腺が腫れて当然です。しかし、離乳したのに腫れが続いている、もしくは、交配していない・避妊している・雄である場合の乳腺の腫れは、腫瘍ができているかもしれません。また、猫の皮膚や皮下に発生しやすい腫瘍には、扁平上皮癌や線維肉腫などがあるため、しこりをみつけた場合は、すみやかにみつけた場所や数などをチェックしましょう。

下記のような異常が出ている場合は、できる限り早めに獣医師の診察を受けてください。

<診察が必要な諸症状>
・しこりがある
・乳腺が腫れている ※至急
・乳腺にしこりがある ※至急
・しこりから出血している ※至急
・乳腺にさわると痛がる ※至急

 

怪我などの有無のチェックポイント

猫が怪我などをしていないかどうかを確かめるためには、どのようなポイントをチェックすればよいのでしょうか。特にチェックすべきポイントは下記のとおりです。

<健康状態をチェックすべきポイント>
・触っても嫌がらないか
・体のどこを触っても、同じ反応をするか
・体を触らせてくれるか
・体を丸めてずっとじっとしていないか

普段は触っていても平気なのに、ある日突然、その場所をさわると逃げたり怒ったり、嫌がる仕草などのいつもと違う反応を見せる場合は、その場所に痛みがあるかもれしません。まずは、外傷や腫れなどがないか確認しましょう。目に見えない場合でも、打撲や骨折、脱臼などや関節炎、さらに内臓の病気の疑いがあります。特に、背中を丸めてじっとしていることが多い場合は、背骨や腹腔内に痛みがある可能性が高いです。

外出する猫、特に未去勢の雄はケンカをすることが多く、それにより皮下にアブセス(膿瘍)を形成することが多く、局所に腫れや痛みがあり、気づかずに放っておくと皮膚がやぶれ膿がでる場合があります。また、交通事故、転落事故なども多く見られますし、ケンカにより猫免疫不全ウイルス(俗に言う猫エイズ)に感染する危険性も高くなります。体に痛みがあるとじっとして動かず人に近づかない場合と、痛みのため落ち着きがなくウロウロすることもあります。痛みがひどいときは、抱き上げたときに抵抗したり、声をあげたりすることがあるため、いつもと違う反応があった場合には体調や食欲をよく観察することが大切です。

下記のような異常が出ている場合は、できる限り早めに獣医師の診察を受けてください。

<診察が必要な諸症状>
・元気がなく食欲もなく、様子がいつもと違う
・体を触ろうとすると嫌がる
・ある場所をさわると嫌がる
・おなかをかばい、触らせない
・いつも背中を丸めてじっとしている
・おなかをかばい、嘔吐が頻繁 ※至急
・排せつの体勢を頻繁にする ※至急

 

肥満や痩せ過ぎのチェックポイント

猫が肥満や痩せ過ぎになっていないかどうかを確かめるためには、どのようなポイントをチェックすればよいのでしょうか。特にチェックすべきポイントは下記のとおりです。

<健康状態をチェックすべきポイント>
・アバラ骨がわかるか
・骨がゴツゴツして肉が感じられないか

猫の胸を触って、肉が付き過ぎてアバラ骨(肋骨)を捜さないとわからない状態や、背骨が触りにくい場合は、肥満です。また、逆に骨がゴツゴツして肉が感じられないのは痩せ過ぎです。どちらもそれ自体は病気ではありませんが、肥満の場合、糖尿病や呼吸・循環器の病気、肝臓の病気、脊椎や関節などの障害が起こりやすくなります。太ったように見えても、肥満ではなく全身がむくむ病気もあるため、皮膚を指で押してすぐに元に戻らない浮腫みがみられたら動物病院で診てもらいましょう。また、痩せる原因としては十分な食事量を与えられていない場合などもありますが、多くの場合は病的な原因が考えられます。さらに急に痩せる、急に太るのも、何らかの病気のサインだと考えられます。

定期的な体重測定は必ず行い肥満や痩せ過ぎに注意が必要です。同じ猫種でも理想体重には固体差があります。できれば動物病院で、その猫の理想体重を確認し、肥満の場合はそれに近づくよう摂取カロリーや消費カロリーの調整を行ってください。避妊、去勢をすると肥満傾向になりやすいので、注意が必要です。また、痩せている場合も病的な原因がないかを確認してもらうことが大切です。特に高齢の猫では、甲状腺機能亢進症(こうじょうせんきのうこうしんしょう)、糖尿病、慢性腎不全、口内炎などには要注意です。

下記のような異常が出ている場合は、できる限り早めに獣医師の診察を受けてください。

<診察が必要な諸症状>
・痩せていて、かつ咳をしている
・痩せていて、かつ食欲がない
・痩せていて、かつ多飲多尿
・痩せていて、かつ嘔吐や下痢をしている
・太っていて、かつ元気がない
・太っていて、かつむくんでいる
・急に体重が増えた
・急に体重が減った

皮膚・被毛の健康チェックポイント

皮膚や被毛を健康に保つためには、普段からどのようなことをチェックすればよいのでしょうか。ここでは、かゆがるときのチェックポイント、毛づくろいのチェックポイント、皮膚の色のチェックポイントの3つを解説します。

 

かゆがるときのチェックポイント

猫が皮膚をかゆがっていないかどうかを確かめるためには、どのようなポイントをチェックすればよいのでしょうか。特にチェックすべきポイントは下記のとおりです。

<健康状態をチェックすべきポイント>
・耳や体をよく掻いていないか
・毛に黒いゴマのようなものがついていないか
・ノミやダニがいないか
・掻き傷がないか
・体の同じ場所ばかり舐めていないか
・体臭があるか
・フケがあるか
・湿疹があるか
・皮膚が赤くなっていないか

体を掻く・舐める・咬む、または体を床や壁に擦りつけるなど、猫がかゆみを伴うしぐさを多くする場合は、ノミやダニなどの外部寄生虫の感染が疑われます。毛を開いて、黒いゴマのようなものがついている場合、それがノミの糞である可能性も。ノミの感染は、ノミアレルギー性皮膚炎の原因にもなります。そして、ノミに感染すると、猫の背筋に沿って首や腰の部分に粟粒のようなブツブツした丘疹ができると、非常に痒がったり舐めたりして、脱毛の原因にもなります。黒色の耳アカが多い場合は、耳ダニによる外耳炎かもしれません。また、疥癬(かいせん)といわれるダニや、細菌や真菌などの感染、アレルギーなど、ひどいかゆみを伴う皮膚病もあります。

外部寄生虫は、あらかじめ駆除する薬を使用することで、防ぐことが可能です。しかし、すでに感染している場合は、皮膚炎などを起こし、治療が必要な場合もあります。また猫には、そのほかにもアレルギーが原因と考えられる好酸球性肉芽腫症候群(こうさんきゅうせいにくがしゅしょうこうぐん)や粟粒性皮膚炎(ぞくりゅうせいひふえん)といった病気もあるため、異常を感じた場合は動物病院で診察を受けてください。ノミやダニ、疥癬、糸状菌などは人間にも感染するため、できるだけ早期の対策が必要です。

下記のような異常が出ている場合は、できる限り早めに獣医師の診察を受けてください。

<診察が必要な諸症状>
・皮膚に赤い斑がある
・湿疹がある
・頻繁に同じ場所の毛づくろいをする
・頻繁に掻く
・ノミやダニが寄生している
・掻き傷が化膿・異臭がする
・掻いているところが脱毛している

 

毛づくろいのチェックポイント

猫が毛づくろいをしているかどうかを確かめるためには、どのようなポイントをチェックすればよいのでしょうか。特にチェックすべきポイントは下記のとおりです。

<健康状態をチェックすべきポイント>
・毛づやが悪くないか
・もつれや毛玉がないか

猫は通常、自分の手や口を使って毛づくろいをします。毛づくろいをすることで、被毛についた汚れを落とし、ザラザラした舌で毛をブラッシングして、きれいに保つようにしているのです。しかし、毛づやが悪い、毛玉が多い、顔が汚れているといった場合は、その毛づくろいがきちんとできていないことが考えられます。毛づくろいは猫の健康のバロメーターの一種です。毛づくろいをしていないようであれば体調が悪い可能性があるため、要注意です。毛づくろいができない原因としては、口内炎など、口腔内の異常の可能性も考えられます。そのほか、新しいシャンプーなどを使い、毛づやが悪くなった場合は、愛猫の被毛にその製品が合わないことも考えられます。

猫は基本的に自分で毛づくろいをしますが、コミュニケーションや健康チェックを兼ねて、飼い主さんがブラッシングをする習慣をつくるのがおすすめです。子猫の頃からブラッシングに慣らしておくことで、シャンプーなども比較的スムーズになります。特に長毛種は毛玉ができやすく、ひどくなるとそれにより皮膚が引っ張られて、動く度に痛がる場合もあります。こうなるとブラッシングはまず行うことができないため、飼い主さんが日常からブラッシングをすることは非常に重要です。さらに、人間にブラッシングされることや体にふれられることに慣れている猫は、体の異常も早期発見できるといえます。

下記のような異常が出ている場合は、できる限り早めに獣医師の診察を受けてください。

<診察が必要な諸症状>
・自分で毛づくろいをしない
・口から異臭がする
・体臭がきつい
・口が臭く、歯石が付着している
・歯茎が赤い
・口の中で出血している
・口から異臭がして、かつ多飲多尿 ※至急

 

皮膚の色のチェックポイント

猫の皮膚の色が正常かどうかを確かめるためには、どのようなポイントをチェックすればよいのでしょうか。特にチェックすべきポイントは下記のとおりです。

<健康状態をチェックすべきポイント>
・皮膚の色が黄色っぽくないか
・皮膚の色が紫色っぽくないか

猫の皮膚に青紫色や赤紫色になっているところがあれば、皮下での出血が考えられます。事故などの打撲で色が変わる場合のほか、まれに血液凝固に異常がある可能性もあります。また、皮膚の色が黄色く感じられるときは、白目の部分や歯茎なども、黄色っぽくないか確認してください。黄色っぽい場合は、黄疸症状が出ている可能性があります。
猫では脂肪肝(肝リピドーシス)の発症が多いため、黄疸が疑われる場合は、症状が軽いと思われても、できるだけ早く診察を受けてください。黄疸が出るのは進行性の病気なので、少しでも早く治療をするのがおすすめです。また、紫斑なども命に関わる病気の可能性もあるため、早急な診察、治療が必要です。

下記のような異常が出ている場合は、できる限り早めに獣医師の診察を受けてください。

<診察が必要な諸症状>
・皮膚が黄色っぽい ※至急
・皮膚が青紫色か赤紫色になっている ※至急
・白目部分や歯茎が黄色っぽい ※至急

飲食時の健康チェックポイント

猫の飲食時には、健康維持のために普段からどのようなことをチェックすればよいのでしょうか。ここでは、食欲のチェックポイント、多飲のときのチェックポイント、吐くときのチェックポイントの3つを解説します。

 

食欲のチェックポイント

食欲は健康のバロメーターです。そのため、猫が食事をまったくしないときは、何らかの病気にかかっている可能性があります。その場合は、ほかの症状がみられないかよく観察しましょう。食べ物を前にしても、においを嗅ぐだけで口に入れない場合は、口内炎や、口を開くと痛みを感じる疾患、歯の痛み、腫瘍などができている可能性があります。口を痛がり、よだれを垂らすなら、口腔内の異常のほか、鼻、喉の疾患、猫カリシウイルス感染症や猫伝染性鼻気管炎なども考えられます。外から帰ってきて食欲がないなら、交通事故などにあい下顎を骨折しているなどの外傷や、感染症などあらゆることが考えられます。

例えば、食事の内容を急に変えてしまうと、猫の食欲が低下してしまうことがあります。好きじゃないフードを食べるぐらいなら、空腹を選択するという猫も多いようです。しかし、3日以上絶食を続ける場合は、脂肪肝などの病気を引き起こすこともあるため、いかなる理由でも3日以上の絶食状態は禁物です。元気なのに食べないときは、嗜好性も考慮し、今まで食べていたフードを混ぜるなどの工夫も必要です。

下記のような異常が出ている場合は、できる限り早めに獣医師の診察を受けてください。

<診察が必要な諸症状>
・元気がなくまったく食べない
・フードを変更していないのにまったく食べない日が続いている
・食べたそうにしているのに食べない
・子猫や高齢猫で、かつ食事をしない
・食欲がなく、下痢、嘔吐、咳、便秘など何かの異常がある ※至急

 

多飲のときのチェックポイント

猫は、犬ほどは水をカブ飲みしない動物ですが、水飲み場にいることを頻繁に見かけたら、飲み水の量が増えているかもしれません。多飲の場合、尿の量も増えていると思われるため、一日の飲み水の量とトイレの尿の量に変化がないかチェックしてください。ともに量が増えている場合、糖尿病、腎不全、肝不全、子宮蓄膿症、甲状腺機能亢進症(こうじょうせんきのうこうしんしょう)などが考えられます。特に猫は高齢になると腎臓機能が低下することが多い動物です。初期症状は多飲多尿で、進行すると毛づやが悪くなり、体重が減少するようになります。慢性腎不全は改善することはありませんが、多飲多尿の早期発見により長期にわたり日常生活を維持することが可能です。

できれば与える水の量を決めて、その減り具合から、一日にどれくらい飲んでいるか把握しましょう。猫の体重1kgあたり100mlほどの水を毎日飲んでいる場合は、多飲です。ただし脱水症状を起こさないよう、水は常に飲める状態にしておくことが大切です。上記の腎臓機能低下のほか、高齢の猫で見られる疾患に甲状腺機能亢進症(こうじょうせんきのうこうしんしょう)があります。症状としては多飲多尿のほか、高齢のわりに活発である、食欲があるにもかかわらず痩せている、目つきがギラギラしているなどがあります。食欲もあり、活発に行動するため、病気に気づかないことも多い厄介な病気であるため、飲水量や尿量の観察が非常に重要です。

下記のような異常が出ている場合は、できる限り早めに獣医師の診察を受けてください。

<診察が必要な諸症状>
・多飲で、かつ食欲が低下している
・多飲で、かつ嘔吐している ※至急
・多飲で、かつ脱毛がある
・多飲で、かつ尿の色が薄い
・多飲で、かつ腹部が膨らんでいる
・脱水症状を起こしている

 

吐くときのチェックポイント

換毛期の猫は、頻繁に毛づくろいをして、大量の毛を飲み込んでしまいます。それが胃の中で毛球となって吐き出すことがありますが、これは病気ではありません。また、ドライフードなどを勢いよく食べた直後に筒状のドライフードを吐くことがありますが、吐物をまた食べ始めて、かつそのほかの症状がなければ問題はないです。しかし、毛球以外のものを吐き、ほかの症状を伴う場合は、注意が必要です。食道の障害(吐出)、消化器系、腎臓・泌尿器系の病気、混合ワクチンの接種をしていない場合は、感染症なども考えられます。また、異物の誤食による腸閉塞などもよくみられる病気です。この場合は早急な外科的摘出が必要になります。嘔吐はあらゆる病気の症状としてよくみられるものであるため、継続するようであれば、動物病院での診察が不可欠です。

吐いた後、ケロリとして食欲があり、症状が一過性のときは大きな問題ではない可能性が高いため、猫の様子をよく観察してください。獣医師の診察を受ける場合も、吐いた時間・食事との関連性・回数・吐物の内容・愛猫の状態・そのほかの症状の有無などをきちんと伝えることが、診断の大切な手掛かりになります。また、元気も食欲もあるけれど、食べてすぐに吐く、頑固な嘔吐が続く場合は、胃の中に異物が入っている可能性があります。元気にしていても至急動物病院で診てもらいましょう。

下記のような異常が出ている場合は、できる限り早めに獣医師の診察を受けてください。

<診察が必要な諸症状>
・吐物に血が混じっている
・吐物が黄色っぽい
・周期的に吐いている
・吐物から異臭がする
・繰り返し激しく吐いている ※至急
・吐いて、かつ下痢をしている ※至急
・吐いて、かつ痙攣している ※至急
・吐いて、かつぐったりしている ※至急
・血を吐いている ※至急
・吐いて、かつ熱がある ※至急

排泄時の健康チェックポイント

猫の排泄時には、健康維持のために普段からどのようなことをチェックすればよいのでしょうか。ここでは、下痢や軟便のときのチェックポイント、便秘のときのチェックポイント、多尿や尿の色のチェックポイント、尿が出ないときのチェックポイントの4つを解説します。

 

下痢や軟便のときのチェックポイント

下痢や軟便だからといって、病気とは限りません。牛乳を飲んで下痢をする猫もいますし、フードを急に切り替えたときや、アレルギーやストレスで下痢をする場合もあります。しかし、体力のない子猫や高齢猫の急性の下痢が悪化した場合、死亡することもあるため、あなどらないで早めに診察を受けてください。元気があり活発で食欲もある成猫の一時的な下痢や軟便は、少し様子を観察して判断をすることが大切です。ただし、続く場合や血便、嘔吐や元気・食欲低下などのほかの症状があるときは、獣医師に診てもらいましょう。また、慢性的な軟便で、痩せてくるような場合も動物病院での診察は不可欠です。

急性の下痢は、寄生虫や細菌、ウイルスの感染や、中毒などが考えられます。特に子猫の汎白血球減少症(嘔吐・血便・食欲元気低下)は命に関わるため、早急な診察が必要です。また、慢性の場合は、腸炎や腸閉塞、胃や腸の腫瘍、膵炎など、さまざまな病気が疑われます。また、寄生虫感染により便に虫が出てくることもあるため、便を注意深く観察してあげてください。それとともに定期的な便検査や駆虫処置をおすすめします。

下記のような異常が出ている場合は、できる限り早めに獣医師の診察を受けてください。

<診察が必要な諸症状>
・下痢・軟便が続いている
・便の一部に血液が混じっている
・便の中に虫がいる
・激しい下痢を繰り返している ※至急
・血便が出ている ※至急
・下痢で嘔吐し、かつ元気がない ※至急
・下痢をしていて、かつ痩せてきた ※至急

 

便秘のときのチェックポイント

便秘とは、排便のときに強くいきまないと便が出にくい状態のことで、便秘のときは出た便も硬く乾燥しています。便秘が続く場合は、病気の可能性もあります。少しずつでも排便するなら、一過性のものかもしれないので観察をしてください。しかし、食事を取っているにもかかわらず2日以上排便がない、排便姿勢をとるのにまったく便が出ない、嘔吐を伴うなどの症状があれば、大腸の病気、泌尿器・生殖器疾患、神経障害、代謝・内分泌、外傷(骨盤骨折、後肢の異常)などの病気かもしれません。
また、ある種の薬剤を服用している場合は便秘になる可能性があります。特に猫は、巨大結腸症による便秘になりやすいようです。便意があり、排便のスタイルをするのに、排せつをしないというしぶりの状態には、便秘だけでなく、排尿障害の可能性もあります。

便の回数は、1日1~3回なら正常ですが、固体差があるので、普段の健康な状態の排便回数を把握しておきましょう。そして、便の回数が減ったら、ほかの異常がないか、気をつけて愛猫をよく観察することが大切です。便秘だからといって、自己判断で浣腸するのは危険です。排尿障害の場合もあるため、必ず獣医師の指示に従ってください。また、猫では巨大結腸症が頻繁に発生します。原因は不明なことも多いですが、食事療法、薬物療法、外科治療などが必要となるため、獣医師とよく相談をすることが重要です。

下記のような異常が出ている場合は、できる限り早めに獣医師の診察を受けてください。

<診察が必要な諸症状>
・硬い便が少ししか出ない日が続いている
・便の形が細くなってきた
・便に血が付着している
・排便時に痛そうな表情や声を出している
・排便の体勢をするにもかかわらず、便が出ない
・便秘と嘔吐がある
・便秘をしていて、かつ活発さがない
・便が2日以上出ていない ※至急
・おなかが張っている ※至急
・便をせず、ぐったりしている ※至急

 

多尿や尿の色のチェックポイント

猫の尿は、トイレの砂によっても判断できるものとわかりにくいものがありますが、固まる砂の場合、その大きさなどで尿の量を把握しましょう。いつもより増えているなら、多尿の傾向があり、多飲多尿の病気が考えられます。また、尿がベタベタしていたら糖尿病かもしれません。さらに、赤っぽい褐色、オレンジ、醤油のような色に見える尿は、血尿、ヘモグロビン尿、濃い黄色はビリルビン尿と呼ばれており、病気の可能性があります。また、排尿姿勢を何度もとるものの、わずかしか尿が出ない場合は、排尿障害や炎症にともなう残尿感による頻尿も考えられるため、早めの診察が望まれます。

尿が濃い黄色の場合は、黄疸によるビリルビン尿かもしれません。尿だけでなく、結膜や口腔粘膜の色をチェックして、黄色っぽい場合は、緊急を要する黄疸症状です。このようにペットの尿の色は、命に関わる病気の発見につながるので、常に把握しておくことが大切です。また、尿の色がおかしく何度も排尿姿勢をとったり、元気・食欲がなかったり、ぐったりしているときも、注意が必要です。

下記のような異常が出ている場合は、できる限り早めに獣医師の診察を受けてください。

<診察が必要な諸症状>
・多飲多尿になっている
・多尿で、かつ食欲が低下している
・尿がベタベタしている
・多尿でかつ、嘔吐している ※至急
・脱水症状を起こしている ※至急
・尿の色が赤色もしくは褐色になっている ※至急
・尿の色がオレンジもしくは濃い黄色になっている ※至急
・尿に血が混じっている
・尿の色がおかしく、かつ元気がない ※至急
・何度もトイレに行くものの、少ししか尿が出ない ※至急

 

尿が出ないときのチェックポイント

排尿回数には固体差があるものの、尿をまったくしない、トイレに何度も入るのにあまり出ていないことに気がついたら、早めの受診が肝心です。もし丸1日尿が出ていない場合は、急いで動物病院へいきましょう。3日間排尿がないと尿毒症で死にいたることもあります。
尿は、腎臓で作られ膀胱にたまり、尿道を通って排せつされるものです。排尿が困難な場合は、腫瘍や結石などの病気が考えられ、特に雄猫では尿道閉塞が強く疑われます。また、雌では膀胱炎による残尿感から、ずっと排尿姿勢をとることもあります。また、急性腎不全を発症すると尿がまったく生産されなくなる場合もあり、数日で命に関わる状態まで進行する場合もあるため、注意が必要です。

猫の泌尿器症候群は、元々の水分摂取量の少なさや、肥満による運動量の低下、食餌内容、飼育環境のストレス、季節性なども要因になると考えられています。猫は、汚れている水やトイレを避ける傾向があるため、最低飼育頭数以上のトイレ、食器を用意して常に清潔な状態で利用できるようにしてあげてください。特に雄は尿道閉塞が多く、処置が遅れると死にいたることもあります。

下記のような異常が出ている場合は、できる限り早めに獣医師の診察を受けてください。

<診察が必要な諸症状>
・丸1日尿をしていない ※至急
・尿が出にくく、かつぐったりしている ※至急
・尿が出にくく、かつ嘔吐がある ※至急
・尿が出にくく、かつ元気も食欲もない ※至急
・尿が出にくく、かつ苦しそうにしている ※至急

こんな行動をしていたら病気のサイン!注意したい猫の行動

病気の兆候は、体の状態だけでなく、猫の行動にも表れます。ここでは、特に注意したい5つの猫の行動について、それぞれどのような病気の兆候なのか解説します。

 

自力で立てない・痙攣しているときのチェックポイント

意識が低下し、立ち上がって体を動かすことができない状態や痙攣を起こしている場合は、生命に危険が迫っている緊急事態と考えてください。飼い主さんを認識できず、咬みついたりすることもありますので、十分に注意してください。呼吸が止まらないように首を伸ばし、毛布などやわらかいもので体を保護しましょう。脳疾患、代謝性の疾患、心臓・循環器・呼吸器・腎臓・肝臓の疾患のほか、感染症や薬物中毒なども考えられ、緊急の処置が必要です。また、痙攣は、有機リンなどによる中毒、猫伝染性腹膜炎、脳疾患、腎・肝疾患、ビタミンB1欠乏症、狂犬病などが疑われます。動物病院へ連れていくときも、安全に気をつけ、目を離さないように注意深く見守ることが大切です。

下記のような異常が出ている場合は、できる限り早めに獣医師の診察を受けてください。

<診察が必要な諸症状>
・痙攣が起こっている
・何かを食べた後、痙攣している ※至急
・授乳中の母猫が痙攣している ※至急
・痙攣が数分以上続いている ※至急
・意識が朦朧として、かつ姿勢がおかしい ※至急
・ぐったりしていて、かつ眼球の動きがおかしい ※至急
・横たわっていて、かつ呼吸がいつもと違う ※至急
・意識がなく、かつ失禁している ※至急
・失神したまま数分経っている ※至急

 

元気がないときのチェックポイント

猫が元気かどうかを確かめるためには、どのようなポイントをチェックすればよいのでしょうか。特にチェックすべきポイントは下記のとおりです。

<健康状態をチェックすべきポイント>
・疲れやすい様子がないか
・元気があるか
・運動を嫌がらないか
・普段どおり外出したがるか
・普段どおり体を動かすか

猫は、犬と違って定期的に散歩に行かないため、運動能力の変化に気がつきにくいものです。毛づくろいや爪とぎなどの日常の行動が減り、遊ばなくなったなど、持続的な肉体運動に耐えられない様子がある場合、喘息や膿胸などの呼吸器や循環器の病気、骨や関節の病気、腎不全などの内臓疾患、貧血などかもしれません。疲れやすいのは高齢のせいだと決めつけると、重大な病気を見逃すこともあります。よく観察し、気になる症状があれば早めに獣医師に診てもらいましょう。

また、肥満の場合、脚に負担がかかり、運動を嫌がったり、疲れやすかったりなどの症状が出てきます。何らか気になる症状があり、動物病院の診察を受ける場合は、急性症状なのか徐々に進行してきたものなのかが診断には重要になるため、日頃から愛猫をよく観察してあげてください。また、8歳頃からは、少なくとも年1回の健康診断を受けさせてあげることが大切です。

下記のような異常が出ている場合は、できる限り早めに獣医師の診察を受けてください。

<診察が必要な諸症状>
・運動を嫌がり、かつよく咳をしている
・運動したり興奮したりすると、舌の色が紫になる
・動かなくなり、かつ歯茎の色が白い ※至急
・疲れやすい、かつ食欲がなく、嘔吐している
・運動したり興奮したりすると、失神する ※至急

 

頭が傾いているときのチェックポイント

猫の意識がしっかりしているのに、なんとなく動きがぎこちない場合、神経のバランスに異常があるのかもしれません。まっすぐに歩けなくて曲がってしまう、頭が傾いているといった不自然な動きがあるならば、運動失調症の可能性があります。特に多いのは、前庭性の運動失調症で、内耳にある平衡感覚を司る部分の障害です。猫では、年齢に関係なく起こるようです。また、視力障害などの可能性も十分考えられますし、脳障害や、中毒、感染症なども考えられます。

前庭は内耳の一部で、頭や目、体幹を重力に対して正しい位置に保つ機能を果たしています。前庭に疾患がある場合は、障害がある方向に頭が傾いたり、グルグル回り続けたりすることがあります。原因としては、外耳炎からの続発や原因不明の特発性のものなどがあり、治療を受けずに放っておくと、症状が進行することがあるので注意してください。日常生活が通常にできなくなるなど、このような障害が認められる場合は動物病院での診察が不可欠です。

下記のような異常が出ている場合は、できる限り早めに獣医師の診察を受けてください。

<診察が必要な諸症状>
・歩行や姿勢が不自然
・頭が常に傾いている ※至急
・グルグル回っていて、かつまっすぐに歩けていない ※至急
・動作がぎこちなく、かつ眼球が左右・上下に震えている ※至急
・動作がぎこちなく、かつ食欲がなく、嘔吐がある ※至急

 

歩き方のチェックポイント

・歩き方がおかしくないか
・足をかばう様子がないか
・足を引きずる様子がないか
・同じ所ばかりを舐めていないか

外出する猫では、帰宅すると歩き方がおかしいときがあります。そのような場合は交通事故、転落などによる骨折、脱臼などが疑われます。また、未去勢の雄の場合はケンカによる外傷の可能性も多いと思われます。骨折、脱臼、アブセスなどの可能性もあるため、4本のどの足をかばっているのか、出血や腫れがないか、地面に足をつけているかなどを観察し、異常を感じたら動物病院での診察を受けてください。

また、骨や関節、靭帯、筋肉の障害など、痛みを伴う障害の場合、不注意に患部にふれないように注意してください。猫が暴れて、さらに症状を悪化させることがあります。患部に負担がかからない、安全な状態で動物病院へ連れていきましょう。いつから異常がみられるのか、きっかけがあれば、診察時に獣医師に伝えてください。

下記のような異常が出ている場合は、できる限り早めに獣医師の診察を受けてください。

<診察が必要な諸症状>
・足をかばっている
・同じところばかり舐めている
・足を引きずっていて、かつ食欲も元気もない ※至急
・出血があり、かつ足が腫れている ※至急
・足をあげたまま、地面に降ろさない ※至急

 

声のチェックポイント

夜中に雌猫が、念を込めたような響きわたる異様な声で鳴くのは、発情期だと思われます。また、食事中に奇声を発するのは、歯周病や口内炎かもしれません。猫の歯周病や口内炎は、非常に大きな痛みを伴うことが多く、叫んでしまうことがあるようです。このほか、猫伝染性鼻気管炎の場合、声がかすれることがあります。

また、雌猫は6ヵ月頃、早い場合は4ヵ月ごろから発情期を迎えるのが一般的です。それ以降、年2回程度の発情期があると考えられていますが、室内飼いの雌猫は一年中発情期であることもよくあります。交尾がないと、1ヵ月間隔で何度も発情を繰り返し、夜中に異様な声で鳴くことが繰り返されます。近所迷惑になる住宅環境である場合や、生まれた子猫を責任持って飼えない場合は、愛猫のストレスを減らすことにもなると考えて、避妊を検討してください。

下記のような異常が出ている場合は、できる限り早めに獣医師の診察を受けてください。

<診察が必要な諸症状>
・食べているときに奇声を発し、かつ口をさわろうとすると嫌がる
・ワクチン接種していない猫が、かすれた声で鳴いている

家庭での健康チェックで、愛猫との暮らしをより楽しく

猫の健康維持のために、確認すべきポイントや発症しうる病気の種類などについて、解説してきました。
普段から家庭での健康チェックを隈なく行うことで、病気の心配をできるだけ減らし、愛猫との暮らしをより楽しいものにしましょう。

なお、本記事で紹介している内容はあくまで一例であり、健康を保証するものでも、病気を確定するものではありません。猫の健康状態は個体によって、それぞれ違います。少しでも不安を感じたら、獣医師の診察を必ず受けてください。

監修

みゅう動物病院院長 本田善久先生


・(社)大阪市獣医師会 理事
・全日本獣医師共同組合編集委員
・(社)日本動物病院福祉協会(JAHA) 中部日本地区代表ディレクター
・(株)ネオベッツ 取締役

動物たちが健康で1日でも長く飼い主家族と素敵な日々を共有できるようにとの考えのもと、獣医師として最新の知識と技術を提供。病気の治療はもちろん、各種予防、1日ドックなどのトータルケアを同病院で行なっている。また、ネオベッツER堺(夜間動物診療)でも診療に当る。この他、大阪市獣医師会の学術担当として、獣医師向けのセミナーの実施、毎年9月と11月に市民が参加できる動物愛護フェスティバルを実施している。さらに、全日本獣医師共同組合編集委員としてペピィの医療記事にも携わる。

みゅう動物病院
https://www.mew-ah.net/

ネオベッツ高度動物医療・動物の夜間救急診察
https://www.neovets.com/