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【獣医師監修】猫の抜け毛の理由は?対処法や部屋掃除のコツを解説

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【獣医師監修】猫の抜け毛の理由は?対処法や部屋掃除のコツを解説
猫といっしょに暮らしていて気になることのひとつが、抜け毛です。ふわふわした毛並みや手触りは猫の魅力であるとはいえ、部屋の床に溜まったり洋服についたりする毛は困りもの。また、抜け毛は人間や猫自身にとって、アレルギーなどのトラブルの原因となることもあります。
今回は、猫の抜け毛の原因や対処法のほか、部屋を掃除するときのコツなどについて解説しましょう。(最終更新日2024年2月7日)

目次

監修

ますだ動物クリニック院長 増田国充先生
ますだ動物クリニック
静岡県島田市向谷3-918-9
TEL 0547-33-6010

北里大学獣医学部獣医学科卒業。専門学校ルネサンス・ペット・アカデミー非常勤講師、日本ペットマッサージ協会とペット薬膳国際協会の講師を務める。東日本大震災における被災動物レスキュー活動などにも参加。一般的な西洋医療のほか、鍼灸治療や漢方、ペットマッサージなどを通して動物の健康に取り組む。

猫の毛が抜ける原因は?

猫の毛が抜ける原因としては、猫の生態としての特徴などいくつかが考えられます。具体的には、どのようなことが原因となっているのでしょうか。

 

抜け毛が多い「ダブルコート」である

猫の被毛には、「オーバーコート」と「アンダーコート」の2種類があります。
オーバーコートとは、「ガードヘア」「トップコート」「上毛」とも呼ばれる猫の体の表面を覆う硬くハリのある毛です。光をさえぎったり水をはじいたりして外部の刺激から皮膚を保護し、美しい見た目を保つ役割をします。
また、アンダーコートは「下毛」とも呼ばれ、オーバーコートの下に高い密度で生えます。アンダーコートには、長く粗めの毛質の「オーンヘア」と、短めでやわらかく縮れた毛質の「ダウンヘア」の2種類があり、いずれも防寒の役割を担うものです。

そして猫は、被毛がオーバーコートかアンダーコートのどちらかの一重構造である「シングルコート」の子と、オーバーコートの下にアンダーコートが生えている二重構造である「ダブルコート」の子の2つのタイプがいます。
シングルコートの猫は、短毛種であればシャムやベンガルなど、長毛種ならターキッシュアンゴラやターキッシュバン、メインクーンなどがいます。中でも、被毛がオーバーコートの猫であれば、比較的抜け毛は少ないといわれています。

一方、ダブルコートの猫は、短毛種ならアメリカンショートヘアやロシアンブルー、アビシニアン、スコティッシュフォールド、長毛種ではノルウェージャンフォレストキャット、ペルシャ、ラグドールなどが代表的な猫種です。実は、日本でよく見かける日本猫(雑種)は、ほとんどがダブルコートであるといわれています。マンチカンの場合はさまざまな猫種とのかけあわせによって生まれた猫であるため、毛色や長さに大変多くのバリエーションがあり、シングルコートのマンチカンもダブルコートのマンチカンもいます。
ダブルコートの猫たちはアンダーコートがしっかりあるため、どうしても抜け毛が多くなってしまうのです。

 

換毛期の真っ最中

アンダーコートのある猫たちは体温調節のため、気温の変化により毛が抜けることが多くなります。特に、夏の暑くなる前と冬の寒くなる前の、年に2回換毛期が訪れます。
冬のあいだ、寒さを防いでいたふわふわの被毛は、春先になると抜け落ちて夏にはさっぱりと涼しく過ごせる被毛になるのです。反対に、秋には冬の寒さに備えて熱を蓄えやすい毛に生え替わります。そのため、春、秋共にその時期には、抜け毛が多くなります。換毛期には、普段の10倍以上の抜け毛になる猫もいるそうです。

 

ストレスを感じている、もしくは病気にかかっている

猫は、環境の変化などによるストレスに弱い生き物です。そのため、ストレスによっていつも以上に毛づくろいを行うことがあります。その際、過剰な毛づくろいにより、抜け毛が増えてしまう場合があります。
ストレス以外にも、次のような病気や症状が原因で抜け毛が増えてしまうことも。心当たりの症状がある場合は、すぐに動物病院に相談することをおすすめします。

・ノミアレルギー
ノミアレルギーは、猫にネコノミが寄生して引き起こされるアレルギー症状です。かゆみを感じることから、体を噛んだり引っかいたりしすぎて、患部から毛が大量に抜け落ちることがあります。ひどくなると、発疹を起こすことも。一刻も早くノミの駆除と皮膚の治療、そして日ごろから定期的な寄生対策を行ってあげてください。

・食物アレルギー、環境アレルギー
人間と同様、猫にも食物アレルギーを持つ子がいます。アレルゲンを含む食べ物を口にすることにより、発疹やかゆみとともに毛が抜けることがあります。原因となる食べ物を与えるのをやめ、治療しましょう。また、先ほどのノミアレルギーのほか、植物由来、ハウスダストに起因するアレルギーも存在します。アレルギーの心配のある猫であれば、事前に動物病院に相談してアレルギー検査を行うことを推奨します。

・皮膚糸状菌症
カビの仲間である糸状菌に感染して発症してしまうのが、皮膚糸状菌症です。猫の顔の周りや耳、手、足などに赤みのある発疹を起こし、円形に脱毛してしまう病気です。この病気は、人獣共通感染症のひとつで人間にも感染するため注意が必要です。

・疥癬(かいせん)
疥癬(かいせん)は、寄生虫の一種であるヒゼンダニというダニが寄生するのが原因で発症します。かゆみがひどいのが特徴で、発症すると猫が激しく体を引っかいてしまうことも。猫の疥癬は耳から感染して頭や顔に広がっていくことが多く、顔や耳のふちの毛の根元にかさぶたができて毛が抜け落ちます。発疹やフケ、皮膚が赤くなるなどの症状も見られます。
この病気も、人間に感染するリスクがありますので注意しましょう。それまで猫が使用していたタオルや毛布、猫ベッドなども消毒して、猫の周りからダニをしっかり駆除し、駆除のための治療も実施してください。

・猫ざそう(猫ニキビ)
猫ざそうは、年齢に関係なくできる猫のニキビです。毛づくろいがしにくく汚れが溜まりやすい顎にできやすいといわれています。猫ざそうができると、初期のうちは下顎に黒い汚れのようなポツポツとした点のようなものができ、そこから進行すると赤く炎症を起こして毛が抜け落ちてくるのです。かゆみや違和感により、猫が皮膚を引っかいて出血してしまうことも。
猫ざそうができてしまったら、その箇所をぬるま湯で湿らせた清潔なタオルなどで優しく拭き取ってあげてください。くれぐれも、無理矢理こすり取るのはやめましょう。症状を悪化させる原因になってしまいます。

抜け毛が原因で引き起こされるトラブルや主な病気

猫の抜け毛は部屋が汚れるなどの困りごとばかりではなく、猫の健康にも影響を及ぼす場合があります。具体的にはどのようなトラブルや病気の原因になるのか説明していきます。

 

 

猫自身の抜け毛によるトラブル

大量の抜け毛が猫の体にからまったままもつれてしまうと、そのまま毛玉になってしまうことがあります。このとき、毛玉が猫の体に付着したままになると、何かに引っかかった拍子に毛が引っ張られて皮膚への刺激となり、炎症を起こしてしまうリスクがあります。
また、猫の体に付着したまま毛玉が大きくなったり、毛玉の数が増えて毛がよじれてしまったりすると、自宅でのカットは難しくなってしまいます。その際は、動物病院やトリミングサロンで処置してもらいましょう。

毛球症

猫は常に毛づくろいをしています。体に抜け毛が多い状態で毛づくろいを続け、毛を大量に飲み込んでしまうと胃腸の中で抜け毛が毛玉になってしまい、胃腸内の粘膜を刺激し病気につながることも考えられます。
毛球症は、飲み込んだ抜け毛が毛玉となり、さらに大きなかたまりとなって胃腸に溜まってしまう病気です。小さな毛玉であれば吐き出すこともできますが、かたまりの大きさによっては、腸などに詰まってしまい開腹手術をしなければならないこともあるため注意が必要です。

胃炎

胃の中に毛玉が溜まると粘膜を刺激し続けるために荒れてしまい、胃炎を引き起こすこともあります。胃炎を起こすと食欲不振になったり下痢や嘔吐などの症状が見られたりするようになります。

 

食道炎

胃腸の中でかたまりになった毛玉を体の外に出すため嘔吐を頻繁に繰り返していると、逆流した胃酸が食道を刺激し、食道炎を起こすことも。食道が過敏になるため胸やけのような状態になり、食べ物を飲み込んだときに胃に到達する前に吐き出してしまうといった症状が見られます。そのままにしておくと、食欲の低下にもつながりますので注意が必要です。

猫の健康を守るための抜け毛対処法

放っておくと猫の健康を害することにもなりかねない猫の抜け毛。どのように対処してあげれば良いでしょうか。具体的な対処法をいくつかご紹介します。

 

 

こまめなブラッシング

猫が抜け毛を飲み込んでしまったり、抜け毛が部屋に散乱したりしないためには、やはりこまめなブラッシングが効果的です。短毛種と長毛種で使用する道具やブラッシングの手順が若干異なります。

・短毛種の場合

短毛種の場合は、ラバーブラシとコームを用意します。まずは首の後ろからお尻に向けて背中をブラッシングします。次に脇から後ろ足、おなかにかけて、抜け毛を取り除きながらブラッシング。首回り、しっぽも念入りに行い、顔周りや足はコームで優しく整えます。
ブラッシングの頻度は、短毛種の場合は、週に2~3回行うといいでしょう。ただし、換毛期には1日1回行うのが理想です。

・長毛種の場合

長毛種の場合は、コーム、ピンブラシ、スリッカーブラシを準備します。最初にコームやピンブラシで体全体の毛をとかします。耳の後ろや脇の下、しっぽと後ろ足のつけ根には特に毛玉ができやすいので、毛玉やもつれをほぐすように、そっととかしてあげてください。
次に、スリッカーブラシで本格的にブラッシングをします。順番は短毛種の場合と同様ですが、それに加えて脇の下からおなか、内股、耳の後ろも忘れずにブラッシングしましょう。スリッカーブラシとコームを使用するときは皮膚を傷つけてしまわないよう、力加減に注意してください。
ブラッシングの頻度は、長毛種の場合は1日1回行ってあげるのがおすすめ。換毛期に入ったら、1日に2回行ってあげると、抜け毛の心配がより少なくなります。

シャンプーをして抜け毛を除去

基本的に猫は無理にシャンプーをする必要はありませんが、換毛期のタイミングなどでシャンプーをしてあげれば、抜け毛の除去に効果的です。特に、短毛種の猫は一度のシャンプーで多くの毛を落としてあげることができます。
ただ、猫が嫌がるようであればストレスにつながってしまいますので、温かい濡れタオルや猫用のボディタオルで体を拭いてあげるだけでもかなりさっぱりできるでしょう。シャンプー前後にしっかりブラシをかけることでシャンプー後の被毛のもつれや毛玉の予防につなげることができます。

 

毛玉除去剤を使う

猫の状態によっては、毛玉除去剤を使用するのもいいでしょう。毛玉除去剤は猫の体内に溜まった毛玉を排泄させる役割をする物です。頻繁に毛玉を吐くようであれば、食道や胃の病気にならないために試してみるのもひとつの手段です。フードにも毛玉除去の効果が期待できる物がありますので、いずれも動物病院で相談してみることをおすすめします。

抜け毛対策のための部屋掃除のコツは?

猫の抜け毛を室内に放置しておくと、猫自身が病気にかかる原因となってしまうばかりか、人間にとってもアレルギーなどのリスクがあります。換毛期になると猫アレルギーを起こしてしまうという飼い主さんもいらっしゃるくらいですので、予防のためには室内のアレルゲン(原因物質)を減らす必要があります。
また、猫の抜け毛は雑菌の温床になることも。抜け毛対策をしっかりと行い、室内の環境を整えましょう。ここでは、抜け毛対策のための部屋掃除のコツを2つご紹介します。

 

 

まめに掃除機をかける

抜け毛対策のための部屋掃除のコツとしては、こまめに掃除をすることが一番です。掃除機をかける際は、それぞれの床材によってかけ方にコツがあります。
じゅうたんの場合は毛足を起こすようにかけていきます。フローリングは板目に沿ってかけていきましょう。畳の場合は溝の上で数秒間止まりながら、じっくりと吸い取っていきます。
猫の抜け毛は軽く舞い上がりやすいので、床にだけ溜まるわけではありません。カーテンレールやエアコンの上などからも、はたきなどで毛を落としてから掃除機をかけると、より効率的に室内をきれいにすることができます。

 

ゴム手袋を手にはめ、抜け毛を集める

掃除機のほかに、粘着ローラーなども猫の抜け毛を集めるのに役立ちますが、より細かい所や猫用タワーなどについた抜け毛を取り除くために活躍するのがゴム手袋です。
手にはめてこするだけでゴムの表面に抜け毛が付着して、簡単に取り除くことができます。

ペティオおすすめの猫の抜け毛関連商品

猫の抜け毛対策に役立つ商品は、ペティオにも数多く取り揃えています。ここでは、特におすすめの商品を3つご紹介します。

おすすめ商品

  • Self Trimmer セルフトリマー スライドロック式 抜け毛が取れるブラシ レギュラー
    この商品は、抜け毛やアンダーコートをしっかりすき取りやすいブラシです。皮膚を傷つけにくいステンレスの2段刃構造で抜け毛や毛玉をスッキリ除去。ヘッド部分に刃が収納できる構造のため、刃についた毛を簡単に取り除くことができ、刃の保護と安全な保管が可能。持ちやすいハンドルで、気軽に猫のお手入れができます。
  • Self Trimmer セルフトリマー プッシュ掃除式 肌に優しいスリッカーブラシ レギュラー
    この商品は、猫の皮膚に優しい先丸加工されたピンとカーブ状ヘッドのスリッカーブラシです。ステンレスのピンは細いくの字型で先丸加工されていますので、毛に入り込みやすく肌当たりの優しい構造で、敏感な猫の皮膚にも安心です。ヘッドにはプッシュ掃除ボタンがついており、ピンにからんだ毛も押し出して取り除けるため、使った後のブラシのお手入れも簡単です。
  • necoco ネココ やわらかラバーブラシ
    この商品は、猫の皮膚に優しいやわらかなラバーブラシ。肌にフィットする粘りのあるラバーが抜け毛をからめ取ります。マッサージに最適な長いピンと抜け毛除去の効果の高い短いピンの両面構造なので、用途に合わせた使用が可能。手のひらでブラシ全体を包み込むように握って、優しくブラッシングしてあげてください。

しっかり抜け毛対策を行って、猫も人間もすこやかに

猫の抜け毛は、季節の移り変わりや体調維持のために必ず出てくるもの。こまめにお手入れや掃除を行って、猫の体調やお部屋の環境を整えることが大切です。不自然な抜け毛や猫の様子がいつもと違うときは、病気が隠れている場合がありますので注意してあげてください。
しっかりと抜け毛対策を行い、健康を保ちながら、猫との暮らしを楽しみましょう。

よくある質問
猫の抜け毛Q&A

猫の毛が抜ける原因は?
アンダーコートのある猫たちは体温調節のため、気温の変化により毛が抜けることが多くなります。特に、夏の暑くなる前と冬の寒くなる前の年に2回換毛期が訪れ、その時期には抜け毛が多くなります。その他にもストレスによっていつも以上に毛づくろいを行うことで抜け毛が増えてしまったり、ストレス以外にも、病気やアレルギー症状が原因で抜け毛が増えてしまうこともあります。


猫の抜け毛が原因のトラブルや主な病気は?
猫の体に大量の抜け毛がからまったままもつれてしまうと、そのまま毛玉になってしまい、何かに引っかかった拍子に毛が引っ張られて皮膚への刺激となり、炎症を起こしてしまうリスクがあります。その他にも毛球症や胃炎、食道炎の原因となってしまう可能性があります。


猫の抜け毛対処法は?
猫が抜け毛を飲み込んでしまったり、抜け毛が部屋に散乱したりしないためには、やはりこまめなブラッシングが効果的です。また、基本的に猫は無理にシャンプーをする必要はありませんが、換毛期のタイミングなどでシャンプーをしてあげれば、抜け毛の除去に効果的です。猫の状態によっては、毛玉除去剤を使用するのもいいでしょう。