特集/Pickup
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ネコちゃんとおもちゃで遊ぶひとときは、
飼い主さんにとっても至福の時間。
そこで今回は、
ヤマザキ動物看護大学助教の
荒川真希先生に、夢中になってくれるおも
ちゃの選び方や、
遊ぶときの注意点など、
ネコちゃんとおもちゃで遊ぶ時間をより楽し
くする方法を教えていただきました。

監修ヤマザキ動物看護大学
動物臨床栄養教育学研究室
荒川 真希 助教
修士・認定動物看護師・ペット栄養管理士・猫の専門医療従事者
CATvocate取得。
認定動物看護師として猫の泌尿器疾患予防のための栄養学や動物看護学教育について研究。
「猫にいいこと大全(主婦の友社)」監修。
ネコちゃんにとっておもちゃは、
運動不足の解消に役立つだけではなく、
メンタル面でも大切な役割があります。
おもちゃがどんな効果をもたらすのか
知っておきましょう。
ネコちゃんの狩猟本能を満たす
- ネコちゃんは本来、狩りをする動物。室内飼いのネコちゃんにも狩猟本能は残っています。おもちゃは、そんなネコちゃんの狩猟本能を満たすために欠かせないアイテム。ネコちゃんの脳内には、おもちゃを追いかけると「ドーパミン(楽しい・快い)」が、おもちゃを捕まえると「エンドルフィン(高揚・幸福感)」が分泌されます。
「捕まえた!」が
ネコちゃんの満足に- ネコちゃんの狩猟本能を満たすためには、「捕獲する」ことが大切。遊びの最後に、ネコちゃんにおもちゃを捕まえさせて、狩猟本能を満たしてあげましょう。そのためには、猫じゃらしやボールなど「実体」のあるおもちゃが有効です。
運動不足の解消・体力づくりに
- 室内飼いのネコちゃんも、キャットタワーでの上下運動や家の中を動き回ることで多少の運動はできていますが、それだけでは不十分。遊びを通して積極的に体を動かすことは、ネコちゃんの健康維持に欠かせません。運動不足を解消して肥満を予防し、ネコちゃんの筋力や体力を育てます。
その他に以下のような点からも、おもちゃで遊ぶことはネコちゃんにとって、とても大切なことなのです。
- ●おもちゃで遊ぶ刺激が生活のハリになり、ストレス解消に。ストレスによる攻撃行動や破壊衝動、毛が薄くなるほどの過剰なグルーミングなど自傷行為のリスクが減少します。
- ●昼間に十分なエネルギーの発散と退屈な時間を解消させてあげることで、飼い主さんの生活リズムにあわせて夜も静かに。夜中に飼い主さんを起こしにきたり、走り回ったりという行動の予防につながります。
- ●一緒に遊ぶことは、ネコちゃんとの大切なコミュニケーション。飼い主さんとネコちゃんの信頼関係を築きます。毎日の遊びでネコちゃんの動きを観察することで、病気やケガにいち早く気づけることも。
遊ぶときは「おもちゃ」を使う
- ネコちゃんは動いているものに対して、ひっかいたり、かみついたりする狩猟本能があります。
飼い主さんの手や指で遊ぶと、手指を「おもちゃ(=獲物)」だと認識してしまい、
ひっかき癖・噛み癖がついてしまいます。必ずおもちゃを使って、狩猟本能を満たしてあげましょう。
安全なスペースを
確保する- 遊ぶときは、ある程度のスペースを確保しましょう。
また、ネコちゃんが遊びに夢中になっても危なくないように、ぶつかっても痛くないものだけを置くなど、安全チェックも忘れないように。 短い時間でも
遊んであげる- ネコちゃんの体力や年齢、猫種にもよりますが、1回10分・1日2回以上遊んであげるのがベスト。飼い主さんの時間がとれなかったら1回5分でも構いません。その分、小刻みに何回かに分けて遊んであげると良いでしょう。猫種や年齢にもよりますが、1日のトータルで15~25分くらいを目安にしてみてください。
複数のおもちゃを用意して、
遊んだら片付ける- ネコちゃんは飽きっぽいので、夢中だったおもちゃも、遊び続けると反応が悪くなります。今日はこっち、明日はこれ、というようにおもちゃにバリエーションを持たせましょう。また、遊んだ後はきちんと片付けましょう。メリハリをつけることで飽きないようにすることのほか、ネコちゃんが一人で遊んでいるうちに誤飲してしまったり、棒状のおもちゃをくわえたままキャットタワーから飛び降りたりといった事故も防ぎます。
遊ぶ時間帯を決める
- ネコちゃんはルーチンワークをとても好み、生活のリズムが崩れたり、環境が変わったりするのを嫌います。ご飯の時間と同じように、遊ぶ時間も決めておくのがおすすめです。
ネコちゃんは夜行性と言われてきましたが、実際には“薄明薄暮(はくめいはくぼ)”性、朝と夕方に活発になります。
この時間帯に毎日少しでも時間をとって、ルーチンで遊んであげるのがおすすめです。
ネコちゃんの年齢に合わせる
-
<子猫>
とにかく好奇心旺盛で活発ですから、たくさん遊んであげましょう。成長期の子猫にとっては、動くもので好奇心を満たす、いろいろなものに触れるという意味合いでも、おもちゃはとても重要です。
また、おもちゃで遊び、しっかりと体を動かすことによって筋肉がつき、健やかな成長を促せます。<シニア猫>
シニア期に入ると、基礎代謝が低下します。筋肉量や運動量も減り、寝ている時間が増えるでしょう。
摂取するエネルギー量がこれまでと同じまま運動不足になると、太りやすくなります。肥満は心臓や腎臓、関節などの機能に影響を及ぼしてしまうため、太らせない工夫が重要です。1日1回以上、ネコちゃんが活動的な時間帯である朝や夕方に適度な運動を心がけ、健康で長生きを目指しましょう。
高齢になるとさまざまな器官や機能が衰えてきます。動きを視覚的に捉えるタイプのおもちゃだけでなく、聴覚や嗅覚を刺激するおもちゃがおすすめです。皮革を使用したニオイのあるおもちゃや音のするおもちゃを試してみてください。また、普段のご飯を少し高いところに置いて、少し登る運動をすることで食べられるという状況を作ってあげるのもいいでしょう。
興奮しすぎたときは、
いったん落ち着かせて
子猫のときは特に、遊びに夢中なって興奮しすぎることがあるかもしれません。偶然でも歯が当たってしまったときには、いったんそこで遊びを中断する必要があります。興奮が収まるのを待ち、落ち着いたら遊びを再開して、最後は「捕獲」させて終わらせるのをルールにしましょう。
おもちゃの監修も行っている荒川先生に、
ネコちゃんの興味をそそるおもちゃ選びのポイントを教えてもらいました。
おもちゃを選ぶとき・遊ぶときは、
この3つを念頭に置いてみてください。
- 1. 動くもの
-
動きのあるおもちゃを選ぶことは、優れた動体視力を持つネコちゃんにとって、狩猟本能を満たす意味でも重要なポイントです。おもちゃを床でちょこまか動かしたり、鳥のように飛ばすなど、動きをつけることで反応がとてもよくなります。
「猫じゃらし」
初めてのおもちゃとしてもおすすめ! 飼い主さんと安全に一緒に
遊びやすい形です。レザータイプや
リアルフェザーを
使ったものなども - 2. ニオイがあるもの
-
ネコちゃんのニオイを感じる細胞の面積は、人の10倍ほどもあると言われています。皮革・獣毛・鳥羽といった獲物のニオイはネコちゃんを刺激し、とても反応が良いようです。ちなみに、キャットニップやマタタビは、成分自体が脳に興奮作用をもたらします。
「猫用おもちゃ けりぐるみ
タフレザー 最強のエビ」
革のニオイが興味を誘う、
牛革のけりぐるみ。
丈夫だから思いっきり
ケリケリしても大丈夫♪ - 3. 音がするもの
-
ワンちゃんよりも優れていると言われるほどの聴覚を持つネコちゃん。特にシャカシャカ・ガサガサ音が大好きです。おもちゃに鈴がよく使われているのも、鈴の音がネコちゃんの聴覚に訴えるからです。
また、色はあまり認識しないと言われていていますが、光を感じる細胞はとても発達しているので、キラキラしたものにも興味津々です。「キラキラパレード猫じゃらし」
テープのキラキラと振ったときの
シャカシャカ音に、ネコちゃん大興奮
狩猟スタイルと獲物の動きに近づけてみて
ネコちゃんの狩猟スタイルは、気づかれないように低い姿勢を保ち、忍耐強く時間をかけて、絶好のチャンスを狙って捕まえるというものです。そのため、おもちゃで遊んでいるときも、椅子の下やラグの下、トンネルなど隠れられるスペースがあるといいですよ。
また、おもちゃは狩りのターゲット(=獲物)ですから、獲物の動きをマネてあげるとネコちゃんはとても喜びます。ネズミのようにちょこまかと床に水平に動かす、布の下で動かす、鳥のように床から飛び立つ、ウサギのようにぴょんぴょんと上下に跳ねるなど、獲物になりきって動かしてみてください。最後には捕まえさせてあげて、達成感を得てもらいましょう!
- Q. お留守番など、一人のときに安全に遊べるおもちゃはありますか?
-
A. 目を離しても安全なタイプの知育玩具がおすすめ
留守番のときのおもちゃは、狩猟本能を満たすというより退屈な時間をしのげるものが良いですね。パズルや転がすとフードが出てくるおもちゃなどの知育玩具がおすすめです。フードが出てくるおもちゃは、肥満予防のため1日分のフードの中からおもちゃ用を捻出するようにしてください。カプセルトイの容器や小さめのペットボトルに、フードが出てくるくらいの穴を空けて自作することもできるので、試してみてくださいね。ただ、プラスチック容器をかじってしまったり、破壊してしまうネコちゃんには注意して与えましょう。
- Q. 病気やケガなど、あまり動けないときはどんなふうに遊べばいい?
-
A. 無理に遊ばず、治療最優先に
治療が最優先なので、無理に遊ぶことは避けましょう。それでもネコちゃんが遊んでほしそうであれば、大きな動きをしなくても本能を満たせる、フードを使った知育玩具が良いと思います。
- Q. もう終わりにしたいけど遊び足りなさそう…
そんなときはどうしたら? -
A. 一人で遊べる安全なおもちゃを使ってみて
ネコちゃんが遊び足りていないとき、飼い主さんに時間がないときは、けりぐるみを投げてあげたり、フードが出てくる知育玩具など、一人で遊べるおもちゃを試してみてください。ただし、パーツに棒が使われていたり、遊んでいるうちにパーツが外れてしまう可能性のあるおもちゃは、事故防止のために一人で遊ばせないようにしましょう。
- Q. 遊びに誘ってものってこない
-
A. 無理には誘わず、時間帯を変えたり、おもちゃの動かし方を工夫してみて
ネコちゃんが誘いにのってこないときに、しつこく誘うとストレスをかけてしまうことがあります。ネコちゃんは朝と夕方に活発になりますから、その時間帯の起きているタイミングで誘ってみてください。その他、獲物の動きをマネてみる、新しいおもちゃを試してみるなどの方法があります。
荒川先生におすすめいただいた
猫じゃらしやけりぐるみを、
ネコちゃんに遊んでもらいました。
モニター商品necoco レザー猫じゃらし 鈴レザー
嗅覚が刺激され、夢中になって遊べているようですね。猫じゃらしを床で水平に動かして、ネコちゃん達に追いかけさせてあげると、さらに運動効果があると思います。たくさん身体を動かして、最後に捕まえさせてあげることで、達成感や満足感が得られると思います。
モニター商品けりぐるみ エビ
袋から出した途端、マタタビの香りがするのか
飛びついてきました!
ハグしやすそうな大きさで、ハサミと尻尾部分は
夢中で噛み噛みしてました。
よだれでベショベショにしながら遊ぶのは
うちの子だけなのかな?
ぬいぐるみのおもちゃは、獲物に噛みつき地面に倒して捕獲する動きで遊ぶことができます。マタタビの興奮作用により、よだれが出たりペロペロなめたりする行動はよく見られます。
ぬいぐるみのおもちゃでは、その場で動かしてみたり投げてみたりと動きをつけてあげると、より狩猟に近い形で遊べます。ネコちゃんの歯や爪が飼い主さんに当たらないように注意して遊んであげてくださいね。

ネコちゃんと飼い主さんがおもちゃで遊ぶことには、楽しいだけでない良い面がたくさんあります。いろいろなおもちゃで遊んで、ネコちゃんのお気に入りのおもちゃを見つけてみてくださいね。
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